「私は昔から、カメラを向けられることが苦手なんです。自分の容姿に自信がないというのも、もちろんありますが、いつも表情が硬く、みんなのように自然な笑顔が作れないからです。そんな私にとって地獄だったのが、スポーツ大会でした。学生時代は陸上部に所属しており、大会にも出たりしていたのですが、現場にはたくさんのカメラマンがいます。そういう人たちは、ずっとこちらにカメラのレンズを向けてくるため、大きなストレスを感じていました」
また、奈々さんによると、陸上のユニフォームを着ている姿が、勝手にSNSでアップされていたこともあったという。
「それを見つけた時は、すぐにアップした人に連絡を取り、削除してもらいました。ネットにアップされることを拒否するのは、写真嫌いだけが理由ではありません。過去、あるファストフード店にて、タブレットで動画を見ているおじさんがいました。たまたま後ろを通った時に、画面が目に入ったのですが、その人は、陸上女子のお尻アップ動画を見ていたのでドン引きしました。競技中の女性を、そういう視点で見る男性が苦手です」
奈々さんは、真剣にスポーツに取り組んでいる女性に対し、よこしまな視線を向ける男性は許せないという。
写真・Sean MacEntee