平凡な言葉だが重みがある。つまり、実力が抜きん出た馬は普通に良い状態を維持していれば、結果はついてくると武豊騎手は言っているわけだろう。
さて、3年前の第2回ヴィクトリアマイルは、大本命のカワカミプリンセスが10着に敗れる番狂わせになったが、さすがにエリザベス女王杯(1着降着12着)から6か月間のブランクは大き過ぎた。その結果がこれである。
そして3連単228万円の大波乱を演出したのが単勝12番人気のコイウタ(松岡騎手、単勝12番人気)だった。馬主は歌手の前川清さん。
担当きゅう務員の竹俣繁夫さんは、「(前走の)ダービー卿CT2着の後も放牧に出さず美浦で調整したのが良かった。生涯最高といえる状態で送り出せた」と振り返る。
「親しい知人には『ひょっとしたら勝てる』と教えてやったよ」と思い出し笑いを浮かべたが、わたしも知人の末席に加えてほしかったなぁ。
格より調子。これが大きな勝因なのは間違いないが、桜花賞3着が示す通り実力の裏付けもあった。翌08年の東京新聞杯(10着)を最後に現役引退。繁殖入りした。
「次は、コイウタの仔で重賞を勝つのが夢だね」(武俣さん)