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その他 2013年06月24日 11時45分
コミケとは別の魅力があるサンシャインクリエイション
23日、同人誌即売会イベント「サンシャインクリエイション(サンクリ)」が池袋・サンシャインシティーで行われた。 本イベントは2月、4月、6月、10月の年4回開催され、毎年2回行われるコミックマーケット(コミケ)に次ぐ大規模同人誌即売会で、版権、オリジナルを問わず多種多様な同人誌を手にいれることができるのが特徴となっている。 本イベントの魅力について神奈川県から来た30代男性は、「通路が大きくてコミケより動きやすいです。あとサークルの人とじっくり話ができます」と語った。サークル側でもサンクリならではの魅力があるとのことで、都内から参加した40代の同人誌出展者は、「このイベントは電源が使えることがいいですね。他のイベントだとノートPC使うには3、4個バッテリー持ってこないといけませんから(笑)。サンクリだといろいろできて助かります」と答えた。 また、コミケ同様キャラクター関係以外の同人誌の出展も多く、廃墟関連の写真集を出展していた30代女性は、「出展は5年ほどしていますが、結構、人は来ます」とコメント。 今、一番行ってみたい所はラーメン二郎札幌店と語る、ラーメン二郎各店舗のレビュー本を出展していたサークルの担当者は、「コミケには8年くらい出展していますが、サンクリは今回が初です。このイベントは他よりマニアック人が多い気がします」とのこと。決してアニメ関連だけのイベントということではなさそうだ。 サークル出展者の話では、コミケと比べると、都内近郊からの来場者が多く、それ以外の地方からの来場者は少ない印象があるとのこと。企業出展も控えめで、サンシャインレクリエイションには、コミケとは違う雰囲気があった。(斎藤雅道)
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その他 2013年06月24日 11時45分
niconicoのプレミアム会員数が200万人を突破
株式会社ドワンゴ(本社=東京都中央区)と株式会社ニワンゴ(本社=東京都渋谷区)が運営する日本最大級の動画サービス「niconico」が6月22日(土)に、有料会員であるプレミアム会員数が200万人を突破した。 niconicoは、2006年12月12日に動画投稿サービス「ニコニコ動画」を開始。無料登録会員に加え、2007年6月18日に月額525円のプレミアム会員サービスを開始した。 その後、「ニコニコ動画」をはじめ、生放送配信サービス「ニコニコ生放送」、企業や団体が動画・生放送・記事コンテンツなどを配信できる「ニコニコチャンネル」、イラスト投稿・電子書籍サービス「ニコニコ静画」など、ユーザーニーズに応じた様々なサービスを展開。無料登録会員数と共に、プレミアム会員数を順調に伸ばした。
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トレンド 2013年06月24日 11時45分
初撮影でグラドル福滝りり全身筋肉痛に
グラビアアイドルの福滝りりが22日、秋葉原・ソフマップアミューズメント館でファーストDVD発売記念イベントを行った。 今月21日に発売された『リリカル』は3月のサイパンで撮影。ファーストDVDをリリースしたことに対しての感想を福滝は、「デビューから半年で出せて嬉しいです。初めての海外、初めてのサイパンで、いろいろと勉強になりました」と答えた。作品の内容に関しては、「初めて彼氏と海外旅行をする風になっています」と解説した。 一番オススメのシーンはどこかと報道陣から質問されると、「カメラに向かってず〜とアメを舐めているところだと思います。後でみて自分でもエロいと思いました(笑)」とアピール。他にもテニスコートのシーンがオススメと語った。 また、撮影では苦労したシーンもあったとのことで、「浜辺のシーンで潮が満ちてきて波が顔にかかってきたりして震えながら撮影していました。あと、馴れないポーズをたくさんしたので全身が筋肉痛になりました(笑)」と語った。(雅楽次郎)福滝りり(ふくたけ りり)1992年12月27日生まれ身長 162センチB82/W58/H86
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トレンド 2013年06月24日 11時45分
「オスカープロお笑いライブ」上半期を実力派ヴェートーベンが振り返る
毎月第3金曜日の夜に、東京・新宿区の関交協ハーモニックホールで開催中の「オスカープロお笑いライブ」。6月のライブが21日に行われた。1分から2分の持ち時間でネタを披露するB-YOSEではお笑いコンビ「勝又」が観客投票で1位を獲得。持ち時間が3分から5分の上位ステージ・A-YOSEでは「珈琲ブレイクン」が優勝した。 「オスカープロお笑いライブ」では、昨年12月に、チャンピオンシップを開催し、年間チャンピオンを決定した。新たなスタートを切った2013年のライブだが、今月で上半期が終了。そこで、今回は、安定した実力でライブを引っ張る実力派「ヴェートーベン」に、上半期の手応えを聞いた(久保隆司=写真左、青井貴治=写真右)。 −−2013年の「オスカープロお笑いライブ」も半年が過ぎました。振り返った感触と手応えは? 青井「そうですね、手応えというよりも、一番の実感は、半年経つのが早いです(笑)」 久保「本当に早かった。あっという間でした(笑)」 −−上半期の出来事といえば、昨年、オスカープロモーションに移籍した島田洋七さんが6月11日に、オスカーの若手芸人とトークライブを開催しました。洋七さんから、どんなことを学びたい? 久保「トークライブにはスケジュールの関係で僕たちは出演できなかったのですが、洋七師匠の講演会を見学させてもらいました。一人で1時間、水も飲まずにしゃべって、超、うけていました。天下を取った方なので、売れるヒントを盗みたいです」 青井「しゃべりに関しては、感動すら覚えました。なので、自分たちらしくありつつ、洋七師匠のように会場を沸かせることができるようになりたいです。トークライブでは、観客の方から、『お金を2倍払ったとしても見に来る価値があった』という声も聞かれたそうです。そういうふうに言ってもらえるライブを、僕らも、できるようになりたいです。洋七師匠は63歳で、僕らは33歳なのですが、あと30年あります。30年かかっても、『2倍払ってもいい』と言ってもらえるようになりたいです」 −−2013年、下半期の目標は? 青井「単独ライブに力を入れていきたいです。僕たちと同世代の人や、上の世代の人へ向けて、的を絞ったライブをやろうと思っています。バブル世代の人や、同姓の男性たちも笑わせてみたいです」 久保「8月2日に福岡市で、8月3日に広島市で単独ライブを開催します。僕たちは2人とも広島出身なのですが、広島でライブを開催するのは初なんです。ネタをやっている姿を同級生たちに見せることも初めてになります。すごくプレッシャーを感じているのですが、楽しみです」 青井「4月6日に『なかの芸能小劇場』(東京・中野区)で、デビュー15周年記念の単独ライブを開催したのですが、満員のお客さんの前でネタをやることができて、手応えを掴みました。また、あいにくの悪天候の中、来て下さったお客さんに本当に感謝です。4月の単独ライブをステップにして、福岡と広島のライブでも、お客さんに楽しんでもらえるようにしたいです」(インタビュー・竹内みちまろ)【ヴェートーベン芸能生活15周年記念単独ライブ】日時:8月2日場所:福岡天神リバレインホール(福岡市)日時:8月3日場所:広島バックビート(広島市)【オスカープロお笑いライブ:今月のトップ】B-YOSE第1位:勝又第2位:ダイマル第3位:かんがるーA-YOSE第1位:珈琲ブレイクン第2位:ヴェートーベン第3位:オージースリー【次回のオスカープロお笑いライブ】日時:2013年7月19日(金)場所:関交協ハーモニックホール住所:東京都新宿区西新宿7-21-20関交協ビル開場:18:00開演:18:15 (A-YOSE/19:45)チケット:前売り1300円、当日1500円(A-YOSE・B-YOSE通し)
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レジャー 2013年06月24日 11時45分
【ドラマティックレビュー:宝塚記念】復活の宝塚? Gシップ3強決戦を制す
念願のGI制覇を遂げ勢いに乗るフェノーメノ。ジャパンカップでオルフェーヴルを負かし、今年の初戦は海外遠征ながらも、ドバイシーマクラッシクでは2着とワールドクラスの実力を見せたジェンティルドンナ。天皇賞でロングスパートが不発に終わり、今回は内田騎手が2週前から調整するなど巻き返しを狙うゴールドシップ。オルフェーヴルが回避したため、4歳の最強馬決戦となった今年の宝塚記念。そんなレースを制したのはゴールドシップだった。 「いつもとは違う競馬をしたい」とコメントしていたゴールドシップ陣営。内田騎手は宣言通りスタートから押して押して前のポジションを取りにいった。思い返せば3歳時には共同通信杯で前につける競馬でのちのダービー馬、ディープブリランテに完勝。後方一気しかだけの馬ではない。しかし、この大舞台でいつもと違う競馬を選択するのはどうなのかと3強の中で一番評価を下げていたが、レースの流れと馬場状態がゴールドシップに味方した。 レースはシルポートが後続を20馬身ほど離す大逃げ。シルポートを交わし先頭でゴールするには瞬発力だけでなく、それを持続するスタミナが必要になる。となれば、ゴールドシップの望む展開。さらに最終週の荒れた馬場。最後の直線でシルポートと2番手でレースを進めていたダノンバラードをとらえ、3馬身差の快勝。瞬発力自慢のジェンティルドンナは荒れた馬場で極上のキレも発揮できず3着に終わった。 昨年の覇者オルフェーヴルもゴールシップと同じく天皇賞・春で凡走したが宝塚記念で復活Vを決めた。これからの宝塚記念は復活Vがトレンドとなるか。来年、上半期の大一番で一発を狙うなら、リベンジに燃える馬の1着固定で狙ってみるのもアリかもしれない。〈プロフィール〉近藤雄亮:キャリア3年目の若手放送作家。売れっ子作家ではないため安定した生活をするには競馬の成績がカギ。昨年度のおこづかい馬券の成績は回収率137%、プラス収支をキープ。Twitterのアカウントは「@minoru1202」。
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スポーツ 2013年06月24日 11時45分
米球宴明けにも昇格? 松坂「メジャー早期復帰説」の光と影
「球宴明けにメジャー昇格」−−。松坂大輔(32=インディアンズ3Aコロンバス)の早期復帰を予想する声が出始めた。 松坂は6月16日のシャーロット戦に先発し(現地時間)、被弾を含む4安打4失点で敗戦投手となった。左脇腹を痛め、リハビリに1カ月以上を要したため、まだ本調子ではない。同試合も「70球メド」という投球制限の下での“試運転”だった。 「ピッチング内容が良くありません。ストレートに本来のキレがなく、変化球で必死に凌いでいました」(現地特派記者の1人) 米メディアが正反対の『早期昇格』を予想する根拠は…。 「インディアンズは6月に入って、先発スタッフが総崩れしてしまいました。資金力が豊富なチームではありませんし、先発タイプの投手を途中補強するとは思えません。従って、ローテーションの4、5番手を頻繁に入れ換えながら中盤戦以降を戦っていくでしょう」 つまり、本調子とは程遠い松坂も駆り出されるというわけだ。 しかし、松坂の今後をこうも予想していた。 「松坂は日本のアマチュア時代からたくさんの修羅場を潜り抜けた投手だから、本調子でなくても最小失点に抑えるテクニックも持っています。その投球テクニックがあるから、松坂は『多少の無理が利く投手』とも位置づけられているんですよ」 無理をさせられたら、どうなるか…。 松坂の完全復活が遅れている理由は、怪我に尽きる。昨年6月、右ヒジのトミージョン手術もそうだが、リハビリ続きで体の筋力そのものが落ちているのだろう。オープン戦終盤に右ふくらはぎを故障。3Aで開幕を迎えた後も左脇腹を痛め、「故障のデパート」と皮肉る米報道もあったくらいだ。 「右手の指にマメができて、投げにくそうにしていた日もありました。復帰登板となった11日は40球までの投球制限でした。投球制限は左脇腹痛の再発を恐れたというよりも、体力面に不安があったからなんです。故障続きでまともな練習ができないので」(米国人ライター) 先の16日の先発も「70球メド」と、怪我の再発防止に配慮されたものだった。松坂の将来を考えれば、今季1年は調整に専念した方がいいのではないだろうか。 「いや、インディアンズ首脳陣が許しませんよ。100球前後の先発を2回くらい経験させたら、即昇格。ローテーションの4、5番手として投げさせられるでしょうね」(前出・同) 16日の登板を好意的に伝えた日本のスポーツ新聞もあったが、「手術前には程遠い。前回(11日)よりは良くなってきたが…」というのが、現地入り取材陣のホンネだ。こんな状態でメジャーに駆り出されたら、松坂はどうなってしまうのか。「投手生命に繋がるような大怪我も…」と不安視する米メディアもあるそうだ。※メジャーリーグに関するカタカナ表記は、『メジャーリーグ名鑑2013年版』(廣済堂出版)を参考にいたしました。
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社会 2013年06月24日 11時45分
岐阜の弁護士が女子高生のスカート内を盗撮し書類送検
岐阜県警大垣署は6月20日、女子高校生のスカートの中を盗撮したとして、県迷惑防止条例違反の疑いで、岐阜県弁護士会所属の弁護士・小山哲容疑者(36=同県大垣市)を、岐阜地検大垣支部に書類送検した。 同署によると、小山容疑者は女子高校生の背後から動画を撮影していた。調べに対し、「仕事のストレスと欲求不満を満たすためにやった」と容疑を認めているという。 送検容疑は、5月10〜12日、同県高山市内のコンビニエンスストアや大垣市内のショッピングセンターで、15〜18歳の女子高校生計3人のスカートの中を、ショルダーバッグの中に隠したデジタルカメラで盗撮したとしている。ショッピングセンターのエスカレーターで不審な動きをしている小山容疑者を、近くにいた男性会社員(43)が見つけ、警備員に引き渡した。小山容疑者は容疑を認め、カメラの提出にも応じたため、同署は任意で捜査していた。 岐阜県弁護士会によると、小山容疑者は07年9月に弁護士登録し、人権問題や貧困問題に取り組む人権派弁護士として知られる。現役弁護士によるハレンチな犯罪としては、今年3月に兵庫県弁護士会所属の当時20代の弁護士が、山陽電鉄の電車の中で隣に座っていた女性の下半身を触り、強制わいせつの疑いで逮捕された例がある。 よほど、女性高校生の太ももを見て、ムラムラしてしまったのだろうか。本来、人の弁護をする立場の人間が、される側に回ってしまってはダメだろう。(蔵元英二)
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社会 2013年06月24日 11時00分
世の中おかしな事だらけ 三橋貴明の『マスコミに騙されるな!』 第32回 「第四の矢」の愚
5月から6月にかけ、日本の株式市場で株価が乱高下をしている。特に、5月23日の日経平均は、何と一日で1000円を超える暴落を見せた。本稿執筆時点で、日経平均は今年のピークである15000円台を回復できていない。 最近まで一本調子で上がってきた反動と言えないこともないが、筆者としては期待インフレ率が下がっているのが気になる。安倍晋三政権の政策や要人の発言により、金融市場が「日本はデフレから脱却できない」と考え始めたのではないか。 我が国のデフレ継続とは、日本円の価値が国内のモノやサービス、そして「外貨」に対しても高まっていくことを意味する。すなわち、期待インフレ率の低下により、市場に円高期待が生まれ、日本円が買い込まれ、実際に円高になり、結果的に株価が下落をしたのではないだろうか。 特に、甘利明経済再生担当大臣が、5月28日に「財政健全化こそが第四の矢」などと発言したことは問題である。いまだにこの程度の認識しかない政治家が閣僚を務めているのかと、正直、愕然としてしまった。 本連載で繰り返しているが、財政健全化は経済成長なしでは達成できない。そして、我が国がデフレから脱却しない限り、日本経済が成長路線に戻ることはない。 さらに、政府が言う「財政健全化」とは、基本的には消費税を中心とする増税路線である。5月27日に公表された財務省の資料には「財政健全化を着実に進めることは、国民の将来不安を軽減し、消費拡大を通じて経済成長を促す」とあるが、嘘っぱちだ。財政健全化、すなわち緊縮財政路線(消費税増税や公共事業削減等)を推進することで、我が国の経済が成長することはない。むしろ、緊縮財政は消費を中心とした国内の需要を冷え込ませ、所得の縮小を招き、税収の減少により財政をさらに悪化させる。 財務省は本当に困った省庁で、緊縮財政路線を推進するために「国民の将来不安を軽減し」といった抽象的なレトリックを多用する。断言するが、日本国民が消費を増やさないのは、「将来不安」といった定性的な理由からではない。所得が少ないため、あるいは増えていないためだ。要するに「カネがないから、使えない」という話である。そして、日本国民の所得が増加しないのは、もちろんデフレのせいだ。 「デフレ深刻化で、国民の所得が減り、消費が伸び悩んでいる」 が正しいのである。そして、デフレ期に財務省お好みの財政健全化、緊縮財政路線を強行すると、我が国のデフレは確実に深刻化する。デフレが深刻化すると、円高になる。円高になれば、日本株は売られる。と、金融市場に「期待させてしまった」がゆえに、株価の乱高下が続いているのではないだろうか。 さすがに「これはまずい」と思ったのか、安倍首相は6月7日、首相官邸で開かれた日仏首脳会談後、オランド仏大統領と共同の記者会見において、「財政問題はデフレから脱却しない限り解決しない。強い意志を持って、今の政策を前に進めていく」と発言した。 そもそも、財政健全化路線とは構造改革(規制緩和、民営化、自由貿易)同様に「デフレ促進策」なのだ。すなわち、物価を押し下げる政策なのである。 もちろん、現在の我が国がインフレ率の高騰で悩んでいるならば、緊縮財政(消費税増税、公共事業削減等)や構造改革(規制緩和、自由貿易等)は正しいソリューション(解決策)になる。緊縮財政は国内の需要(消費、投資)を抑制し、構造改革は供給能力(いわゆる潜在GDP)を高める。結果的に、国民経済のインフレギャップ(=需要−供給能力)が縮小し、物価は抑制される。 お気づきだろうが、実は「第三の矢」と称される「成長戦略」も、構造改革そのものであり、デフレ促進策なのだ。政府が発表した成長戦略の中身を見ると、規制緩和系の政策がずらりと並んでいる。規制緩和は新規参入を増やし、競争を激化させることで物価を押し下げる。 先日の規制改革に関する会議において、内閣官房参与の浜田宏一教授は、「3番目の矢の成長戦略、これは生産能力を拡大しようというものだ」と、本質をついた発言をした。まさに、その通り。規制緩和を中心とする第三の矢は、国民経済の供給能力(生産能力)を押し上げ、物価を抑制する政策なのである。 デフレ脱却のためには、第一の矢(金融政策)と第二の矢(財政政策)のパッケージのみで十分なのだ。 ところが、安倍政権は総選挙の頃から「デフレ促進策」である「成長戦略」を第三の矢と称し始めた。さらに、強烈なデフレ促進効果がある「財政健全化」を第四の矢と呼ぶ閣僚までもが出てきた以上、期待インフレ率が下がって当たり前である。 一応、第四の矢について書いておくが、我が国には「財政問題」など存在しない。 何しろ、デフレ不況深刻化で民間の資金需要が乏しく、政府が国債をバンバン発行しても、長期金利が上昇しないという異様な状況が続いているのだ。 しかも、我が国の政府の債務は100%が日本円建てだ。「子会社」である日本銀行に国債を買い取らせれば、返済負担や利払い負担が消滅する政府の負債を殊更にクローズアップする財務省は、やはり「単に増税をしたいだけ」としか思えない。 無論、インフレ期に日銀が国債買取を増やすと、物価が国民生活を痛めつけるほどに上昇してしまう。とはいえ、現在の日本はデフレだ。 結局のところ、昨今の株価の乱高下は、「市場の神様」が安倍政権に対し、「デフレ対策のみを実施し、デフレ促進策は止めるべき」と、警告を与えているように思えるわけだ。三橋貴明(経済評論家・作家)1969年、熊本県生まれ。外資系企業を経て、中小企業診断士として独立。現在、気鋭の経済評論家として、わかりやすい経済評論が人気を集めている。
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社会 2013年06月23日 16時00分
再生か衰退か 震災の爪痕が残る 宮城・石巻「水産業復興特区」現地レポート(2)
前出、笠原さんのこの指摘の通り、岩手県は漁協主体の復興を模索しており、漁師と養殖業者がタッグを組んで、従来は食用にならなかったツブ貝のむき身などの販売も行っている。 どちらの県の取り組みがいいのか、単純に答えは出ないし、新聞の論調も全国紙と地方紙では分かれている。朝日や毎日は特区に好意的だが、河北新報は「合意得られぬ『発車』は残念」(4月11日)としており、また漁協に対する批判も多く、この構想を後押しした元朝日新聞石巻支局長の高成田享氏も著書の中でこう書いている。「漁業権が漁協の既得権になっていて、それを守ろうとする漁業権スクラムには、漁協という組織だけでなく、政治家、役所、学者らが加わっているということだ」(「さかな記者が見た大震災」講談社) 石巻の地元紙・石巻日日新聞の関係者は「地元としては特区に賛成とも反対とも言えない」と苦しい胸のうちを吐露した。同時に、次のようにエールも送る。 「特区に手を挙げた桃浦の若手たちは大変な勇気が必要だったと思う。今のところ、漁協からの嫌がらせみたいなものはないと聞いて安心しているが、特区でやると決めたからには、ぜひ成功して欲しい」 今回、特区が認可されるまでには県議会でも大きな議論があったが、「ほとんどの議員は特区に反対」(県庁職員)という状況だったという。議員としては漁協や漁業者を敵に回したくないということだろう。 「もし、特区がうまくいかなければ、知事の責任を問う声が出てくるに違いない」(同)というから、結論が出るのはまだ先のことだ。 最後に、笠原さんが「企業は儲からないと撤退する」と話したことについて、一つ気になることがあった。今回の水産特区とは直接関係ないが、たこ焼き屋『築地銀だこ』を全国でチェーン展開している株式会社ホットランドが一昨年、群馬県桐生市にあった本社を、この宮城県石巻市に移転させた件だ。 同社は震災後、石巻市内に商業施設『ホット横丁石巻』を開設することを発表し、夏にはオープンにこぎ着けた。震災により職を失った地元の人たちを中心に約100人の雇用をもたらし、この施設の隣のビルに本社も移転。将来的にタコの加工場も建てて、より多くの雇用を生み出すとしていた。 しかし、金融機関筋からの「本気で本社を移すなんて思っていませんよ」との証言をもとに、小誌は本社移転の登記直後に現地を取材、昨年の3月29日号記事『築地銀だこ本社移転の裏』で次のように報じた。 −“本社”の建物は想像以上に小さく、「本気で本社を移すつもりはないのだろう」と、うがった見方をされても仕方ないレベルだった。ホットランド本社広報担当は「本社移転は、当初からの予定通り、1000日間での完了を目標に進めている。加工場予定地もすでに選定済み」と語った。− さて今回、すでに“550日”ほど経過している“本社”とされる事務所を再び訪ねてみた。ところが、社員は不在で、入居するビルの1階の美容室に聞くと、「平日はいつも誰もいない様子」とのこと。電話をすると、“東京本部”に転送され「事前に連絡をいただければ対応した」(広報担当)という返答だった。 隣接の『ホット横丁石巻』も、今では土日祝日のみの営業となっており、期待された大規模な雇用の創出も疑わしいと言わざるを得ない。 特区しかり、「儲からないから撤退」では、かえって迷惑なだけ。そうならないように願う。
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その他 2013年06月23日 14時00分
摂り過ぎは重大病のもと 夏場に向けて体に無理をかけないお気軽「減塩対策」(1)
中高年の食生活で、カロリーに比べ意外に意識が薄いのが、料理に含まれる「塩分」ではないだろうか。 特に外食派は、ラーメンを好み、スーパーで買った惣菜を利用し過ぎる生活が続き、塩分適量ゾーンを軽くオーバーしている。 塩分は将来の高血圧や心臓病、癌などのリスクがあるため、“必要悪の調理品”として冷めた目で見られがちだが、一方で、人間が生きていく上で疎かにできない貴重なもの。とくにこの時期、熱中症対策には水分補給とともに、塩分摂取は欠かせない品だ。 今回は、扱いによっては二律背反になりかねない食塩と向き合い、減塩という大きな課題にどう取り組むか、病気のリスクを抑える“減塩策”を考えてみよう。 厚労省が掲げる国民一人当たりの食塩摂取目標は、成人男性で1日10グラム未満、女性で7.5グラム。男性の場合は小さじ2杯弱にとどめようというわけだが、これで1日3食分を賄えるのか、素人ながら懐疑的にならざるをえない。 生活習慣の改善運動に取り組んでいる管理栄養士・前田和美氏に、普段、何げなく食べている食品に、どれくらいの塩分が含まれているのか尋ねてみた。 「日本の料理は醤油、味噌、食塩などを使う食文化が色濃くあります。加えて近年は、ファストフード、スナック菓子なども多くなり、日本人の1日当たりの塩分の摂取量はおよそ12〜13グラム。欧米は5〜7グラム程度ですから、いかに摂取量が多いかわかると思います。できれば、その欧米レベルが理想的で、国も10グラム以内に抑えることを提言しているが、それができそうでできないのが、減塩対策の現状でもあります」 前田さんは、地元の東京・町田市内のスーパーを覗き、惣菜売り場の「めんたいこおにぎり」を実際に手に取って裏側に添付されたラベルを調べると、「ナトリウム630グラム」とあるものの、肝心の食塩含有量の記述がなかったという。 「鶏の照り焼きそぼろ弁当にしても、容器の底のシールにナトリウム1420グラムとあるが、塩分の表示はありませんでした」 と前田さん。それではと、表示のナトリウムを塩分に換算する方式で計算した。 その結果、食塩含有量は「めんたいこおにぎり」が1.6グラム、「鶏弁当」が3.6グラムだった。これに「カップみそ汁=2.7グラムを追加すると、計7.9グラム。国の基準値に合わせると、残り2食で約2グラムの食塩しか摂取できないことになる。 減塩の難しさは、これでもおわかり頂けると思う。となれば、生活習慣を変えることに尽きるが、どこから手を付ければいいのだろうか。 「長寿県の日本一になった長野県をはじめ、食の魅力があふれる新潟など、東北・北信越地方でも、県民の塩の摂り過ぎが長年の課題でした。それを行政とNPOなどが共同で減塩食などの研究に取り組んできました。新潟県も“1日1グラム減”を目標に『にいがた減塩ルネッサンス』を立ち上げるなど、減塩運動で一定の成果を上げています」 こう説明するのは、健康管理スペシャリストとして成人病予防活動をしている相原恒彦氏だ。 「この運動の基本は、味わいや栄養素、食べる量などのバランスを崩さずに、ちょっとずつ塩分を減らしていく、という感覚が大事です。急に薄味にしたものの満足感が得られず、味を戻したりしながら、つい食べ過ぎてしまうようであれば困る。食べる量を減らすのが現実的です」(同)