社会
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社会 2017年09月16日 15時00分
「空き家」全国820万戸に急増! “買い取り減税”対策の効果は?
東京五輪を控え、首都圏のマンション価格の上昇が続いている。建設業界には五輪関連の大型工事が次々と舞い込み、不動産用地の不足、職人不足も手伝って建設費の高騰に拍車が掛かっている。 「マンションの販売価格が上昇する一方、新築マンションを中心に販売数は伸び悩んでいます。マンション価格が上がりすぎて売れなくなっているのです。いくら低金利でも、5000万円超えのマンションは一般サラリーマンには手が届きません」(大手不動産) 新築の一戸建ても同様だという。さらに最近は持て余した空き家の売却案件が増え、供給過剰状態だ。総務省によると、全国の空き家は約820万戸と20年間で1.8倍に増加。賃貸や売却向けに流通する物件を除くと、活用されていない空き家は約318万戸にも上る。およそ8軒に1軒が空き家という状況だ。 「国土交通省が8月26日、全国で急増する空き家の流通を促進するため、不動産事業者が空き家を買い取ってリフォームを行う場合、敷地にかかる不動産取得税を減額する新たな特例措置を、来年度の税制改正要望に盛り込む方針を固めました」(経済記者) 日本の住宅事情は、数日住んだだけでも中古物件となり価格が下落する。長期のローンを支払い終えたときにはボロボロで、家を持て余すケースが増えている。 「空き家になると家は急速に傷む上に固定資産税もかかる。即刻売却すべきです」(不動産コンサルタント) 生きているうちに自宅を売却し、夫婦で健康型有料老人ホームに転居する選択肢もある。売るに売れないと嘆くのは早い。地方都市や過疎地の空き家であっても「買い取り再販」や「全国版空き家バンク」などを活用すれば、割と簡単に処分できて想定以上の値が付くことがある。 人生で最も高い買い物の住宅を、誰にも必要とされない“負の遺産”にしてはならない。
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社会 2017年09月15日 15時00分
イケア・イオン・無印良品… 値下げ続出 小売業界消耗戦の行く末
流通大手のイオンや家具大手のイケア・ジャパン、さらには雑貨や衣料品販売の無印良品を展開する良品計画など、小売業が8月末から相次いで商品値下げに踏み切っている。数値で景気は拡大しても、現実は依然としてデフレ傾向が強まり、アベノミクスの先行きが懸念されているからだ。 イオンは食品や日用品など114のプライベートブランド(PB)商品を値下げした。値下げ幅は平均10%で、傘下のダイエー、トップバリューなど約2800店が対象だという。 今年3〜4月にも値下げを実施したばかりのイオンだが、三宅香執行役は会見で、「これまでの値下げで売り上げ増に手応えを感じたため、消費者ニーズにさらに応える」と理由を説明。さらに「店舗拡大のスケールメリットで大量生産がさらに可能になり、また、工場から店舗へと物流の効率化がはかれた部分を価格値下げに転嫁した」という。 経済部記者は言う。 「イオンは春の値下げで3〜5月の連結決算の最終損益が昨年の62億円の赤字から36億円の黒字転換となったことで、消費者が依然、低価格に強いニーズがあると確信した。今の消費者は日用必需品はできるだけ安く、自分が本当に欲しいものは多少高くても買うという消費傾向が強まっていることから、内部では“価格設定についてはインフレターゲットで決めるのではなく、あくまで消費者ニーズに沿った価格設定が一番”という方針になりつつあるようです」 その流れを受けての、今回のさらなる値下げというわけだが、こうしたイオンのPB価格値下げに追随するように、イケアも来年8月までに順次家具など886品目を、平均22%値下げするという。 その内容は、例えば、若者に人気の2人掛けソファを約25%値下げし3万円を切るなど、かなり大胆なものとなっている。 「値下げ幅は最大で約5割と出血大サービス。今回は約600点を値下げし、残りの約250点は来年夏までに順次引き下げるという。これも、最大のライバルのニトリが今春に大胆300点の値下げをして急激に売り上げを伸ばしているためです。加えて、ネット通販の攻勢もあり、'09年以来の値下げに踏み切らざるを得なくなったということです」(同) 無印良品も、主に裏毛ロングパンツ、紳士トランクス、Vネックセーターなどを対象に、秋冬シーズンの110品目を値下げ。西友も食品など約500品目を、340店舗とネット通販で平均6〜10%値下げする。 日銀・政府は「デフレ脱却」と唱え続けているが、それとは逆に商品販売サイドが続々と値下げに動いていては、もはや“2%のインフレターゲット”も絵に描いた餅に等しい。実態経済はどうなっているのか。 経済アナリストはこう分析する。 「茂木敏充経済再生相は8月末、『今の景気は('65〜'70年日本急成長時の)いざなぎ景気に匹敵する』と胸を張った。確かに景気は拡大ぎみだが、消費を引っ張る個人消費は、依然、足腰が弱い。4〜6月期国内総生産(GDP)では、個人消費が前期比プラス0.9%伸びたが、我々エコノミストの間では、家電や自動車などの大型消費材が買い替え時期とぶつかった一時的現象と見ている。そうでなければ値下げした企業が軒並み売り上げ増とはなりません」 つまり消費者は、いまだ低価格志向が極めて根強いということだ。 経済は拡大しているのに、なぜデフレ傾向を脱却できないのか。 「要は、儲けている企業において給与が従業員の消費を浮揚させるほど上がっていないということ。これは世界的に見て米トランプ大統領の経済政策がいまだ不透明ということも含め、日本自体の先行きへの不安があります。となると当然、消費者は本当に欲しいものは高値で買いにいっても、日常品はできるだけ節約し、その分、いざという時に備えて貯蓄に回す。そのために、消費にブレーキがかかっているのです」(同) 企業はそんな消費者ニーズに合わせ、さらに低価格路線に突っ走る。 「しかも今、低価格に走っているのは、いずれも各業界でトップクラス企業。それらは多少無理をしてでも、とにかく業界シェアを拡大させたい。そうしておけば、景気が最悪になった場合でも、なんとかサバイバルできるという捉え方です。そのため、金融機関から多少資金を借りてでも、設備投資で物流効率化を図り、価格下げ競争に邁進する。ただし、そうなると最後は同業社どうしの消耗戦になりかねません」(同) そんな結果が待っていることが分かりつつも、サバイバルをかけた低価格競争に突入する各小売業。音を上げるところが続出するのが先か、アベノミクスが別の道を打ち出すのが先なのか…。
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社会 2017年09月15日 10時00分
天下の猛妻 -秘録・総理夫人伝- 田中角栄・はな夫人(上)
田中角栄元首相については、読者諸賢、知識を相当にお持ちと拝察している。 学歴は旧制尋常高等小学校卒。16歳で単身、新潟から上京。職を転々、一方で苦学の上、やがて土建会社をおこし、そして政界入りした。「決断と実行」のもとに、道路、新幹線、住宅、河川整備、電源開発など、荒廃したこの国の再建へ向け、じつに33本の法律(議員立法)もつくってみせた。田中の存在なくば、戦後の復興は大きく遅れていたものと思われる。そのうえで、都市と地方の「格差是正」「過疎・過密解消」に向けて『日本列島改造論』を引っ提げ、ついには「今太閤」ともてはやされ天下を取ってしまった。 しかし、金脈・女性問題を問われて首相の座を追われ、ロッキード事件で嫌疑を問われ、裁判のさなかに病に倒れてその人生に幕を閉じた。まさに、昭和のこの国の勃興期を走り抜けたドラマチックこのうえない人物であった。それが諸賢の知る「田中角栄像」だったと思われる。 そこで、英雄色を好む、今回は“田中と女”に絞ってその人物像を浮き上がらせてみたい。 男は人生で女とどう関わったかで、その人物の器量が問われる。そうした華やかな女性関係のはざまに立ち、人知れず胸を痛めていたのが妻・はなであったことは言うまでもなかった。 筆者は48年、永田町を取材しているが、振り返って田中くらい女性にモテた政治家を知らない。隠れて悪戦苦闘、不倫だ、ゲスだと指弾を浴びて消えていくいまの政治家とは雲泥の差、堂々の“女遊び”っぷりでもあったのだった。 田中には郷里・新潟の同郷で、陣笠代議士の頃から亡くなるまで関係のあった秘書として公私とも二人三脚で歩んだ「越山会の女王」「金庫番」とも呼ばれた佐藤昭子、田中土建工業社長の頃からの顔なじみで身請けした「花街の母」とも言われた花街・神楽坂の元芸者の辻和子が愛人としての“双璧”である。佐藤、もとより辻の2人には、それぞれ子供がいる。 田中がいかに女遊びの達人だったか、かつモテたのか、こんなエピソードがある。 田中の秘書を長く務めた故・早坂茂三(のちに政治評論家)は、筆者にこう話してくれたことがある。 「田中は、まあモテたね。玄人、シロウト関係なしだ。一言で言えば、遊び慣れていたからだ。何事も『イエスか、ノーか』でやる。仮に『ノー』なら、それ以上はネチネチしない。『そうか、そうか』であきらめる。芸者などの玄人筋の女性が一番嫌うのは、しつこく、デレデレ、ジメジメ型。そして、一度でも関係を持つと“旦那ヅラ”をする輩だ。田中は、まったくそうしたタイプではなかった。もとより、カネばなれはいい、座敷も陽気そのもので、田中が来ていると大声で笑いがたえぬから、ほかの座敷にいる芸者たちが田中の座敷に行きたがってソワソワしていたものだ。 田中土建工業社長の頃は、神楽坂の老舗料亭だった『松ヶ枝』(戦後政治の“舞台裏”であった)でも大いに遊んだ。あるとき、仕事を取るために仕事先の親方を接待、7、8人の芸者をあげてドンチャン騒ぎの末、田中は親方に向かってこう言ったそうだ。『あとは、いい妓を見つくろってよろしくやってくれ。いい夢でも見てくれ』と。時に、まだ20代の後半だ。大物になる人物は、やっぱり若くして何かが違うナ」 もう一つ、こちらは田中が幹事長の頃のエピソードである。田中をよく知る政治部記者の証言だ。 「田中と財界人との懇談会が赤坂の料亭であった。このとき、ある財界人が執拗に自民党幹事長ポストと政治献金との関わりを問い質した。すると、田中いわく『あなたは私たちが利権屋と組んで政治をやっているとお考えなのか。政治はそんな腐った根性ではできんッ。私があえて幹事長になったのも自民党を思えばこそ、この日本を愛すればこそなんだッ』と一喝、席を立ってしまった。 そのとき、はべっていた芸者の一人が、そのカッコよさに『ああいうの、おか惚れしちゃうなぁ』とシミジミため息をついていたと、別の芸者が言っていた。田中には、男女問わず、このように妙に人を惹きつけてしまう“引力”があった」 しかし、こうした女遊びの達人、モテ男を亭主に持ったカミサンはタイヘンである。田中の妻・はなは、離婚経験のある8歳年上である。はな周辺を取材してみると、異口同音に出てきたのが次のような証言だった。 「徹底して、表に出ることをよしとしなかった。政治の世界はなおさら」「あの人から、人の悪口というものを聞いたことがない」「一度として、怒ったことを見たり聞いたことがない」「田中の女性関係もそれなりに耳に入っていただろうが、愚痴を聞いた人は一人もいなかった」。 この田中夫妻、それでも51年に及ぶ結婚生活をまっとうした。“円満”の秘訣は、いったい何だったのか。(この項つづく)小林吉弥(こばやしきちや)早大卒。永田町取材48年余のベテラン政治評論家。抜群の政局・選挙分析で定評がある。著書に『決定版 田中角栄名語録』(セブン&アイ出版)、『21世紀リーダー候補の真贋』(読売新聞社)など多数。
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社会 2017年09月14日 10時00分
食卓からシラスが消える? 黒潮の“大蛇行”が三重、愛知、静岡県沿岸部に牙をむく!
「本日シラス漁が出漁しないため、生シラスはありません」 去年は2日に1回は入荷ができたという静岡産の生シラスが、築地市場にこの1週間は一度も入荷できていないという。これは、日本の太平洋沿岸を流れる黒潮が大きく南側へ反れ始める“大蛇行”が原因と思われる。気象庁の解析により、8月20日ごろから日本の太平洋沿岸を流れる黒潮が蛇行していることが分かった。黒潮の流路の変動は船舶の運航や漁業に影響を与えるほか、潮位を上昇するために沿岸地域での浸水被害が懸念されているが、気象への影響も考えられるという。 東シナ海を北上してやって来る黒潮は本来、東日本の太平洋岸を流れ、千葉県の房総半島沖を東に進む。しかし現在は、東へ向かう前に紀伊半島から東海地方沖で大きく蛇行し始めており、この状態が続けば約1カ月程度で12年ぶりの大蛇行になるという。 この事態に、防災ジャーナリストの渡辺実氏は、以下のように警鐘を鳴らす。 「黒潮の大蛇行が起きると、蛇行の北側の陸に近い沖合に反時計回りの別の海流ができる。そのため東海や関東で高潮が発生しやすくなり、台風や低気圧が近づいた際、低い土地で浸水などの被害が起きやすくなるのです。漁業でも、カツオなどの漁場の位置が変わるなど影響が出る可能性があります」 気象庁によれば、過去には大蛇行が発生した影響で、やはり台風や低気圧の接近により三重県や愛知県、静岡県沿岸に高潮が襲い、広範囲にわたって床上浸水や床下浸水の被害が出たことがある。 「黒潮は、北太平洋の亜熱帯域を大きく時計回りに流れる循環の西部にあたります。このような海洋の循環は大規模な海上風によって引き起こされていることから、黒潮の流量(単位時間に運ぶ海水の総量)も海上を吹く風の分布や強さに深く関連していると考えられています」(同) 当然、その針路も海上風の向きや海水温などと何らかの関係があると考えられているが、今のところよく分かっていない。ただし、日本近海の海水温が次第に上がり続けていることは事実だ。 「例えば南シナ海で生まれた台風は、暖流である黒潮付近を通ることで水蒸気を吸い上げ巨大化するのですが、黒潮の大蛇行によって日本列島から離れた位置で大型化する。しかも、蛇行を通過した沿岸部あたりの海水温も高くなっているため、さらに勢力を増した状態で日本列島を襲うことになる。気圧の関係で海上で停滞するようなことがあれば、なおさらです」(サイエンスライター) 最悪の場合を想定すると、海岸での道路の浸水、海岸近くの河川の洪水も想定される。さらに、大蛇行により今冬、東京に雪が降りやすくなるという。大自然に抗う術はない。
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社会 2017年09月13日 18時00分
熟女人形作家が詐欺容疑 自ら“生き(抱き)人形”になった「作れば売れたのに…」のナゼ?
人気の人形作家で一体の価格も高額で1体数百万円する物もある「球体関節人形」。関節部分に球体を使用することで自在にポーズをとることができる特殊な人形を制作していた世界的にも有名な人形作家が詐欺容疑で逮捕された。岡山地検は8月29日、堀佳子容疑者(54=東京都)と、共同で工房を経営していたマネージャーの渡辺志保容疑者(54=岡山県)を詐欺容疑で逮捕したと発表した(逮捕は17日)。 「堀容疑者の直接の容疑は、2013年3月から4月にかけ、人形制作代と偽り岡山県内に住む55歳男性から3回にわたって計815万円をだまし取っていたというもので、渡辺容疑者もこれに加担していた共犯の疑いがかけられている。堀容疑者については'15年頃から、東京都と岡山県を中心に相次いで被害届が出されており、それらを合わせると総額5〜7億円もの巨額詐欺事件に発展する可能性があるのです」(全国紙社会部記者) 堀容疑者は岡山県浅口市の出身で、24歳の時から人形制作を始め、'94年に倉敷市立美術館、翌年にはイタリアのミラノでも個展を開き、極めて精巧な人形を作る“生き人形作家”として一躍脚光を浴びた。 以降は全国各地で個展を開く一方、NHKの番組やテレビ東京の『たけしの誰でもピカソ』にも出演。アーティストの中島美嘉のコンサートでコラボするなど、活躍の場を広げていた。 「ところが、同窓会で再開したという同級生の渡辺容疑者をマネージャーに採用して数年後から資金繰りに行き詰まるようになり、'14年に自己破産した。一昨年からは乳がんが見つかったとして休業宣言をしていたのです。一方で自己破産前、渡辺容疑者は金策に奔走していたようですが、この頃から堀容疑者の体を張った無茶苦茶な生活が始まっていたようです」(岡山市在住の知人) 今回明らかになっている被害者の男性の他、同じように金を貸してトンズラされた地元のタクシー運転手もいる。 「この60代の男性は、乗客として知り合った堀容疑者と人形の話しで盛り上がり付き合いが始まった。しかし、その後『交通事故で金が必要になった』と言われ500万円貸したのを皮切りに、何かにつけて100万円単位の金をせびられるようになったという。限界を感じた男性が融通を拒否したところ、『これからはあなたの彼女になってあげる』などとホテルに誘われ、結局は2年数カ月で計20回、総額約7000万円貸した揚げ句、連絡がとれなくなったというのです」(地元記者) 堀容疑者の人形は芸能人のファンもおり、その評価そのままに受注生産はもちろん、作製した人形は「作るれば必ず買い手がつく」ほどの人気。堀容疑者を知る周囲の人たちの中には「あれだけ人形が売れていてお金に困っているとは考えにくい」と言う人もいるほどだ。自ら男の“生き(抱き)人形”となった背景にはいったい何があったのか…。
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社会 2017年09月13日 10時00分
世の中おかしな事だらけ 三橋貴明の『マスコミに騙されるな!』 第237回 空襲警報が鳴り響き
2017年8月29日の5時58分、北朝鮮が弾道ミサイルを発射。ミサイルは日本上空を通過し、北海道の襟裳岬の東方沖、約1180キロメートルの太平洋に落下した。 日本政府は北海道、青森、岩手、宮城、秋田、山形、福島、茨城、群馬、新潟、長野の各県に「Jアラート(全国瞬時警報システム)」を発動。 「北朝鮮西岸からミサイルが東北地方の方向に発射された模様です。頑丈な建物や地下に避難して下さい」 と、「国民保護に関する情報」を伝達。物々しいサイレンの音に、何事か、とばかりに目を覚ました読者も多いだろう。 北朝鮮の日本上空を越えるミサイル実験を受け、マスコミでは例により、「アメリカが」「中国が」「韓国が」「ロシアが」「国連が」といった、他人事のような報道が繰り返されるのだろうが、 「サイレンが鳴り響いたのは、日本国である」 という現実を踏まえ、「我が国はどうするべきなのか?」を主体的に考えなければならない。29日6時2分に我が国で鳴り響いたサイレンは、事実上の「空襲警報」なのだ。 ミサイル防衛の強化はもちろんだが、敵基地反撃能力の保有等について、臨時国会を召集してでも議論を始める必要がある。臨時国会は9月末に開かれるが、それでは遅すぎる。 というよりも、本来であればむしろ「野党」が政府に対して、 「敵基地反撃能力の保有が必要なのではないか?」 と、国会で追及し、同時に国民を守るという基本的な主権の行使のために、与野党一丸となって取り組まなければならない状況である。 29日早朝に鳴り響いたサイレンの音は、日本の「平和」あるいは「平時」の喪失を意味していることを、我々は明確に認識するべきなのだ。 ところで、戦後初めて我が国で「空襲警報(事実上の)」が鳴り響いたことを受け、ネット上では、 「マジでこんなんで起こすなクソ。こんなんで一々出すシステムを入れるクソ政府」(堀江貴文氏のツイッター) 「Jアラート テレビの騒ぎ過ぎ(略)北朝鮮がミサイルを打ち上げるたびにこういうから騒ぎをくりかえすのか? 北の脅威をいたずらに煽っている輩がいるのだろうか?」(鳥越俊太郎氏のブログ) 「北朝鮮も怖いが、『戦時放送』を流す安倍政権も怖い」(慶応大学の金子勝教授のツイッター) などと、政府の対応を批判する著名人が少なくなく、大変驚いた。 Jアラートについて批判する人々は、逆に北朝鮮のミサイルが日本上空を通過したとして、政府が一切、警戒情報を流さなかった場合、どのように反応するのだろうか。恐らく「政府は何やってんだ、クソ政府」などと、やはり批判するのではないか。 あるいは、本気で北朝鮮が「未来永劫、日本をミサイル攻撃しない」と信じ込んでいるのだろうか。非常事態は起こり得る。「起こり得ない」と信じ込んでいるとなると、これは相当に能天気だ。 最近の北朝鮮のミサイル危機で、戦後、長らくお花畑的な平和に浸っていた日本国民の「本性」が、次第に暴かれつつあるように思える。 東日本大震災と福島第一原発の事故の後、筆者は原発反対派に対し、 「反原発派は、原発を停止し、結果的に日本で大停電が起きた場合、どのように反応するのだろうか。絶対に『政府や電力会社は何やっているのか!』と、批判の叫びを上げるのでは?」 との感想を覚えたものである。非常事態が発生した時にこそ、人間は本性がむき出しになるのかもしれない。 日本の平和も、エネルギー安定供給も、別に神が保障してくれているわけでも何でもない。我々、日本国民が『自分たち』で維持しようと努めない限り、平和もエネルギー安全保障も確立できない。 日本国の安全保障は、日本国民にしか構築できない。別の書き方をすると、我々日本国民を守ってくれる共同体は、最終的には日本国以外には存在しないのである。 ところで、北朝鮮がミサイル開発や核開発に邁進していることを受け、 「やがてアメリカの怒りを買い、北朝鮮は破滅する」 といった感想を覚えた日本人は多いだろう。とはいえ、アメリカが北朝鮮を軍事攻撃するとしても、それはあくまで「アメリカのため」であり、日本国民のために動くなどということはあり得ないのだ。何しろ、日本とアメリカは違う国なのである。 今回の北朝鮮のミサイル危機を受け、日本国民は「自分たちを守るのは、日本国家のみ」という、至極当然の現実を思い出す必要がある。 個人的には、北朝鮮が東京にミサイルを撃ち込んだとしても、日本国民は瞬時には沸騰して大騒ぎするものの、2、3日もしたら忘れてしまうのではないかと懸念している。何しろ、東日本大震災の際に、あれだけ防災安全保障が意識されたにも関わらず、相変わらずインフラ整備や公共投資に対する国民の「嫌悪感」は払しょくされていない。 いずれにせよ今回の北朝鮮危機を受け、日本国民が「安全保障」について一人一人が考え、国民主権国家の「主権者」としてどうするかを考え始めなければ、普通に我が国は亡国に至る。日本国民は、日本国家の主権者である。主権者である以上、日本政府が間違いを犯したとして、すべては我々の責任になってしまうのだ。 8月30日、国会の閉会中審査が開催され、北朝鮮非難決議が採択された。 野党には、むしろ安倍政権の対北朝鮮の「弱腰姿勢」を批判し、特に『万全を期す』という、北朝鮮がミサイルを撃つたびに安倍総理が使う抽象用語が、具体的に何を意味しているのかを追及してほしい。さらに敵基地反撃能力や核武装について、むしろ野党陣営から積極的に切り出し、議論を始めるべきだ。 改めて強調したいのだが、我が国はすでに「空襲警報が鳴り響く国」なのである。戦後のお花畑的平和主義から脱却しない限り、我が国に未来はない。みつはし たかあき(経済評論家・作家)1969年、熊本県生まれ。外資系企業を経て、中小企業診断士として独立。現在、気鋭の経済評論家として、分かりやすい経済評論が人気を集めている。
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社会 2017年09月12日 10時00分
安倍自民総崩れ 高笑い小池新党がのみ込む前原民進党
加計学園問題などで支持率が急落したが、内閣改造でかろうじて息を吹き返したかのように見える安倍政権。しかし、自民党ベテラン議員は「“ポスト安倍”争いは激しくなるばかりだ。10月の衆院トリプル補選の結果次第では党内が総崩れになりかねない」と、危機感を募らせる。その元凶の一つが、麻生太郎副総理兼財務相と菅義偉官房長官の激しい対立だ。 8月29日早朝、北朝鮮のミサイルが日本上空を通過したことを受け、菅氏は臨時記者会見を行った。しかし、「会見場はかなりの緊迫感に覆われていたが、菅さんは何だか余裕の表情だった」(全国紙政治部記者)という。その理由を、自民党関係者はこう見立てる。 「27日の茨城県知事選の結果ですよ。自公推薦で新人の大井川和彦氏が、現職で7選を目指した橋本昌氏に約7万票の差をつけて当選しましたが、あれは事実上、菅さんが陣頭指揮を執っていた。あまり感情を表に出さない菅さんですが、大井川氏の勝利でかなりご機嫌だったと聞いている」 大井川氏は地元茨城出身で東大法学部卒業後、通産省(当時)に入省。経産省を退職後、マイクロソフトアジアを経て、IT関連企業トップ「ドワンゴ」の役員となった。その大井川氏の擁立を、自民党茨城県連会長の梶山弘志地方創生担当相と二人三脚で練りに練って決めたと言われる菅氏は、茨城に岸田文雄政調会長、小泉進次郎筆頭副幹事長などを送り込むと同時に、様々な工作を仕込んだとされる。 「建設、厚労、電機関係などの職域に強い影響力を持つ族議員30人前後を送り込み、それぞれの業界を徹底して大井川氏支持になびかせたと聞いています。また、東京都議選でねじれた公明党に対しては人脈をフル稼働して支持を取りつけ、山口那津男代表、石井啓一国交相らも応援に入ったことで、創価学会票もほぼ大井川氏に流れることになったのです」(地元記者) しかも、一部報道では自民党系列の県議らに6000万円からの現金がバラまかれたなどというキナ臭い話も飛び出す始末。なぜここまで菅氏は茨城県知事選にこだわったのか。自民党ベテラン議員の話。 「一つはもちろん、内閣改造直後の大きな選挙だったこと。安倍内閣の支持率回復のアピールには絶好のチャンスで、勝てば10月の補選に向け勢いをつけられる。二つ目は、梶山氏の父の故・梶山静六元官房長官が、菅氏の“政治の師”であること。茨城で自ら息のかかった知事を誕生させることは、菅氏の強い気持ちの表れである一方、勢力拡大の意味でも大きい。そうした動きや、無派閥だがしっかり『韋駄天の会』といった自身の勉強会の活動を活発化させるところを見ても、単に安倍首相の女房で終わりとは思っていない。仮に総裁選となれば地方票も大きい。地元神奈川は当然、これで茨城でも力を強めたことになる」 これらに加えて、菅氏が茨城県知事選に心血を注いだ理由に、麻生氏の存在があるという。 「今回の内閣改造を巡っても、菅さんと麻生さんの犬猿の仲ぶりがかなり出たと聞いています。改造直前、安倍首相に麻生さんが、加計、森友学園問題の火消しの失敗の責任は菅さんにあるとして、支持率低下を含め責任を取らせるべきと進言したという。それでも首相は菅氏を続投させただけに、菅氏としても茨城県知事選で負けるわけにはいかなかった」(前出・自民党関係者) 麻生・菅バトルは今回ばかりではない。昨春、消費税率10%への引き上げでも対立したとされ、麻生氏は予定通りの増税実施を主張。一方の菅氏は反対し、これも最終的に安倍首相が菅氏に耳を傾け再延期となった。 また昨年10月の衆院福岡6区補選では、麻生氏が福岡県連会長の長男・蔵内謙氏を担げば、菅氏は鳩山邦夫元総務相の次男・二郎氏を支援し分裂。結果、菅陣営に軍配が上がっている。 「こうなったのは安倍首相にも責任がありますが、政権を支える2人がここへ来てさらにバチバチでは先が思いやられる。しかも自民党内では、野田毅前税制調査会長や村上誠一郎元行政改革担当相らが中心となった勉強会に続き、8月25日には有志議員でつくる勉強会『日本の明日を創る会』が設立され、“安倍降ろし”の空気が蔓延し始めている。こんな状態で補選など戦い抜けるのか」(別の自民党関係者) そんな状態の自民党をさらに大きく揺さぶるのが、小池百合子東京都知事の側近の若狭勝衆院議員が立ち上げた日本ファーストの会、その先にある小池新党への動きだ。 「9月1日に民進党代表選が行われ、前原誠司氏が枝野幸男氏に大差で勝ちましたが、その最大の勝因は、前原氏が共産党などとの野党連合を否定し、『共通の認識があれば小池新党との連携を模索したい』との発言が、議員間やサポーターに支持されたからです。党内部では、先に離党し小池新党との連携を目指す細野豪志氏や長島昭久氏らに続き、泥船の民進党から飛び出そうという勢いが止まらない。そのため、いずれは左派勢力と分裂し前原代表を中心とする民進党が、小池新党に飲み込まれる可能性も高い」(民進党関係者) その小池新党に自民党は対抗できるのか。最大の節目は、やはり10月22日の衆院トリプル補選だ。 安倍自民が自滅しかねない状況に小池氏の高笑いが聞こえてきそうだ。
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社会 2017年09月10日 14時00分
墓なし供養ブームで納骨堂建設ラッシュに群がる悪徳業者
少子高齢化や生涯未婚率の上昇に伴い“墓”に対するニーズが実に多様化している。 「都内で人気の納骨堂は、都心部の寺院内や新しいビル内に建設されています。高級感やアクセスのよさもさることながら、平均購入額が60万円程度という安さもあり、需要が拡大しています」(葬祭プランナー) 通常、霊園の区画内に墓を建てる費用は200万円前後が相場だが、都心の場合は500万円以上と高額なため、予算が合わず遠方の霊園に墓を建てざるを得ないという話は数多い。 「墓を持てない人も多く、首都圏では自宅に遺骨を置いている家庭が100万世帯もあると言われています」(同) それほどまでに行き場のない遺骨が溢れているのだ。 墓地販売業者は「時代の変遷とともに墓のスタイルが変わってきている」と指摘する。少子化や核家族化が進み、生前中に永代供養納骨堂を夫婦や家族で予約するケースは、もはや日常の光景だという。 「高齢者を中心に、都心の納骨堂や樹木葬の霊園を巡る“終活”ツアーが盛況です」(旅行代理店) こうした需要をにらみ、地方においても納骨堂や樹木葬専用霊園の建設ラッシュが相次いでいる。有名な寺院においても顧客流出を懸念し、ロッカー式の納骨室を設置するところも増えつつある。 「終活ビジネスに便乗してもうけている企業が増え、国税局も目を光らせていますよ」(全国紙社会部記者) 終活にまつわる新規ビジネスとして遺骨を寺に郵送して葬ってもらう「送骨」サービスや、安価で僧侶を派遣するビジネスまで広がりを見せている。 もちろんいい話ばかりではない。親族の反対を押し切って共同墓に入ったものの、数カ月もたたずに親族の墓に移されたりするなどのトラブルは枚挙にいとまがない。 単純に「立つ鳥跡を濁さず」とはいかないのが現実のようだ。
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社会 2017年09月09日 14時00分
森永卓郎の「経済“千夜一夜”物語」 日航123便墜落の真相
私がメディアでニュースの仕事にかかわるようになって、20年が経つ。そのなかで、いまだに腑に落ちないのが、32年前に起きた日本航空123便が御巣鷹の尾根に墜落した事件だ。 乗員乗客520名が死亡した大惨事について、公式には、機体後部の圧力隔壁がボーイング社の修理ミスで破損し、その圧力で尾翼の一部が吹き飛んで、機体のコントロールが失われた「事故」として処理されている。 しかし、圧力隔壁が破損すれば、急減圧で機内に濃い霧が発生するはずなのに、それが見られなかったことなど、この墜落には、当時からさまざまな疑問が呈されてきた。 それらのなかで最大の疑問が、墜落現場の発見が大幅に遅れたことだ。 墜落時間は、8月12日の18時56分だが、地元の消防団員が生存者の落合由美さんを発見したのは、翌日午前10時54分だった。すぐに救出に向かっていれば、多くの人命が救えたにもかかわらず、現場の特定が遅れたのだ。 だが、内陸部に墜落したのだから、レーダーで捉えられていたはずだし、近隣住民の目撃証言や通報もあった。ところが、なぜか墜落現場の情報が錯綜し、特定されなかった。もっと不思議なことは、米軍が墜落直後に横田基地から輸送機を現場に飛ばし、上空から炎上する機体を確認し、その後、救援ヘリも飛ばしていながら、何もせずに引き返しているのだ。 つまり米軍は、最初から墜落現場を特定していたが、なぜか日本政府には伝わらなかったことになっている。 実は、7月に青山透子氏が『日本航空123便墜落の新事実』(河出書房新社)という本を出版した。青山氏は当時、日本航空で働いていた客室乗務員で、真相を探ろうと、あらゆる文献を収集整理し、目撃者証言を集め、いわば人生をかけて調査に取り組んできた。そして、書籍のなかで重大な事実を指摘したのだ。 まず、墜落直前の123便を2機の自衛隊のファントム機が追尾していたという複数の目撃証言だ。つまり、日本政府は最初から墜落現場を知っていたことになる。 それでは、翌朝まで自衛隊は何をしていたのか。証言によると、現場にはガソリンとタールを混ぜたような強い異臭がしていたという。 また、現場の遺体は、あり得ないほど炭化していた。つまり、墜落から翌朝までの間に、何者かが証拠隠滅のために、強力な燃料で現場を焼き尽くしたのではないかというのだ。 消すべき証拠とは何か。青山氏の著書によると、123便から窓の外を撮った写真を解析すると、オレンジ色の物体が飛行機に向かって飛んできているという。それは地上からも目撃されている。 著者の推測はこうだ。オレンジ色で塗られた物体は、訓練用ミサイルなどの飛行体で、それが尾翼を破壊したため123便は制御不能に陥った。 事件当時、国会では、防衛費をGNP比1%以内に抑える問題が議論の中心になっていた。そうしたなかで、自衛隊の不祥事は許されない環境だった。 しかし、事件から30年以上経過したのだから、政府は国民に真相を明かすべきだ。それは、加計学園より重要な問題だ。
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社会 2017年09月08日 17時00分
金正恩本当の狙い! 北朝鮮が世界を破滅に導く「水爆」カード
北朝鮮が水爆実験を行った9月3日、同国の命綱を握る中国は10月のビッグイベント・共産党大会に向けた重要な外交行事『新興5カ国(BRICS)』の第9回首脳会議を福建省厦門市で開催していた。習近平国家主席は、昨年9月と今年5月にもホストを務めた国際会議当日に相次いでミサイルをブッ放されており、またしても顔に泥をぶつけられた格好だ。 「北朝鮮の核・ミサイル開発をやめさせ、朝鮮半島の非核化を実現する確実なシナリオが二つあります。現在、原油は中国が年間50万トン余を輸出しているといわれ、ロシアも輸出を増やしています。非軍事的対応としては、この貿易を完全にストップすること。それを中国が実施しなければ、中国も北の共犯であることを国際社会の舞台で糾弾するのです。一方、軍事的対応としては、日本は米国と連携して、北への先制攻撃支援も視野に入れていることを内外に明らかにすべきです」(軍事アナリスト) 何しろ核実験報道を前に金正恩委員長は、「水爆弾頭化」(小型化)を誇示し、「電磁パルス」(EMP)攻撃に初めて言及して「核武力は完成した」とまで豪語しているのである。 「もしEMPが攻撃対象国の地上30〜400キロの高高度(高層大気圏内)で爆発すると、放出されたガンマ線が大気中の分子と衝突して強力な電磁波である電磁パルスを発生させ、交通制御や電子決済などあらゆるインフラを破壊し、世界は大混乱に陥ります」(同) 今振り返ると、8月29日に発射された『火星12』は「グアムをけん制する前奏曲となる」多弾頭実験だった可能性が高い。 「本来『火星12』の射程は4000〜5000キロ程度あり、平壌国際空港からグアムまでの距離は約3400キロですから、なぜ飛距離を2700キロに短縮し、3つに分離して太平洋に落下させたのか。当初は失敗とされましたが、この海域には障害物がないことと、単一ミサイルに複数の弾頭を搭載するMIRV=マーヴ(一つの弾道ミサイルに複数の弾頭を装備し、それぞれが違う目標に攻撃ができる弾頭搭載方式)を試した弾頭分離実験だった可能性が高い。自衛隊は同時大量発射やMIRV、ましてやEMPに、なす術がありません」(ミサイルに詳しい大学教授) 今回の『火星12』の軌道をそのまま5000キロまで伸ばすと平壌国際空港からはミッドウェー島北方500キロ付近の海域となり、7000キロまで伸ばすとハワイ諸島北方1000キロメートル付近の海域となる。 つまり、これは北朝鮮の対米本土攻撃のエスカレーション戦略の一環と捉えることができ、今後も北朝鮮がこの軌道を使用する可能性は十分にある。 太平洋上に落下する軌道で今後も『火星12』や『火星14』が発射された場合、日本への被害はゼロか、あるいはごく軽微だ。日本はMIRVを使うには近過ぎるから、日本にとっての現実的な脅威は、より射程の短い短距離ミサイルの『ノドン』ということになる。 「現状のミサイル防衛(MD)体制は、迎撃ミサイル『SM3』を搭載したイージス艦4隻と全国の17高射隊に配備された地対空誘導弾『PAC3』による二段構えですが、北朝鮮が同時に大量のミサイルを発射したら、すべてを迎撃することは困難です。北朝鮮は『火星12』の発射に当たって『恥ずべき韓国併合条約から107年にあたる29日に日本人を驚愕させる大胆な作戦を立てた』とも述べ、日本にも警告を発している。さらに『今後、太平洋を目標とする弾道ミサイル発射訓練を多く実施して、戦略兵器の戦力化を積極的に進めなければならない』と語ったことから、米朝のチキンレースを一度クールダウンさせる落としどころとして“日本攻撃”という切り札を使うことは十分にありえます」(前出・軍事アナリスト) 日本のMD体制には、技術以上に厄介な問題が横たわっている。 ノドンが日本に飛来した場合、論理的には自衛権を発動することは可能だ。しかし、これまで領海に進入してきた船舶や防空識別圏に進入してきた戦闘機などには対処してきたが、弾道ミサイルに関してはまだ規定がない。 「そもそも自衛隊は米第7艦隊の護衛訓練しかしていないのが実情です。加えて日本が防衛上必要とする兵器を、米国は持たせてくれません。領空侵犯機に対して『F15』がスクランブルを掛けますが、空対空ミサイルは積んでいないので、敵機が本気で攻撃の意思ありと判明すれば体当たりしかない。まあその前に撃墜されますがね。これが、『平和憲法』の元、一国平和主義に呪縛されてきた結果なのです」(国際ジャーナリスト) Jアラートが早朝に鳴り響いた8月29日、衆議院第一議員会館、第二議員会館内で『安倍やめろ! 8・29緊急市民集会』が開かれた。スピーチでは、ミサイルを撃ってくる北朝鮮批判はおざなりにし、大半をミサイルを撃たせるようなことをしている安倍政権に批判が集中した。 「トランプ大統領もグアム方面に4発撃つと脅されたときは、『これまで見たことのない火力』と逆襲したが、日本を飛び越えた『火星12』には『様子を見よう』などと言い出しています。北朝鮮は、日本国内の安倍批判を見て取り『日本を撃つのはセーフ』と受け取ったに違いありません」(同) ところで英国政府は8月31日、北朝鮮が29日に弾道ミサイルを発射したことに抗議するため駐北朝鮮大使を召還したと発表した。ちょうど訪日中だったメイ首相はこの日、安倍晋三首相と会談を行い、北朝鮮問題で連携することで一致している。 「英国は北朝鮮の鉱物資源、特にマグネサイトに食指を伸ばすオリンド社やアミネックス精油会社が朝鮮との油田開発を共同で行っているし、ロンドンの金融監督庁監督下にあるアングロ・ジノ・キャピタル投資会社などが『朝鮮開発投資ファンド』を設立し、資金募集に乗り出すなど北朝鮮の内情には詳しい。英秘密情報部の持つ北朝鮮情報は貴重です。先の米韓合同軍事演習で、米国に対して正恩委員長が恐れるB1爆撃機の派遣を断るような韓国はアテにせず、対北朝鮮で『新日英同盟』を結んだということでしょう」(同) 対イラン防衛から世界で最も進んだミサイル防衛システムを構築しているイスラエルは、Jアラートのようなサイレンが鳴ると、市民は直ちに物陰に身を隠して頭を抱えて地面に伏せるという。 「イスラエルでは警報が鳴ってからロケット弾などが飛んでくるまで、たった数十秒の場合もあります。Jアラートのことを聞いたイスラエル人の反応は『日本は3分も避難時間があるの?』でした。ミサイル着弾の際には、爆風で瓦礫などがすさまじい勢いで飛散します。戸外にいる場合、物陰に身を隠すか、地面に伏せて頭部を守るというのは、割と現実的な身の守り方なのです」(中東情勢に詳しい大学教授) 北朝鮮は9月9日の建国記念日から10月10日の朝鮮労働党創建記念日の間に、再び中距離弾道ミサイル『火星12』の発射、大陸間弾道ミサイル(ICBM)『火星14』や潜水艦発射ミサイル(SLBM)の試射、さらには7回目の核実験にさえ踏み切るとみられている。“レッドライン”は、もはや完全に超えたと言っていい。 金正恩委員長は、中国が秋の党大会を終えた後、トランプ大統領からの大きなプレゼントを受け取ることになるかもしれない。
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