興毅はWBAから、バンタム級スーパー王者のアンセルモ・モレノ(パナマ)との統一戦を命じられ、興行権などを決める入札が、12月10日に行われる予定だった。ところが、これを目前にした7日、興毅は王座を返上し、スーパーフライ級への階級変更を発表した。
ズバリ、興毅の狙いは、空位となったWBAスーパーフライ級の王座決定戦だった。同王座は3日に、IBF世界同級王者・亀田大毅(亀田)との統一戦に臨む予定だったリボリオ・ソリス(ベネズエラ)が計量に失敗して、王座をはく奪され空位となった。
新たなWBAのランキングで1位に入れば、前哨戦を行わず、一発で4階級制覇に挑みたいところだったが、発表された12月のランキングで、興毅は4位だった。WBAは暫定王者で1位のデンカオセーン・カオウィチット(タイ)と、2位の河野公平(ワタナベ)で王座決定戦を行うよう指示し、亀田陣営の目算は外れた。
これまで、興毅は3階級を制覇しているが、ライトフライ級、バンタム級では王座決定戦で世界王座を奪取している。バンタム級では、反則とも思える5位の選手との王座決定戦を強行した。これは、興毅の常とう手段。
他の団体では、減量苦の大毅が、いずれ返上するとみられるIBFではランク入りしていない。WBCでもランク外で、WBOでは2位になっている。
これまでの経緯からみて、強い王者への挑戦は避けて、できるだけ弱い相手と世界戦を組むことをもくろむとみられる興毅。狙うのは、どの団体の王座になるのか?
(落合一郎)