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競輪穴男列伝 500バンクや風強い玉野、小松島向きの西郷剛

 西郷剛(兵庫・69期)185cm、100kgの大男。その前に194cmの並木道也(東京)がいたものの、富原忠夫(徳島・43期)の183cm、107kgには体重で劣るが背丈は2cm大きい。体格のわりにレースぶりは意外にも近畿ラインですんなり回る。パワーがあるだけに、ツボにはまるとすごい。

 競輪学校では7勝と平凡だったが、デビューするや、マーク屋で鳴らした坐古猛の指導もあって1年目の豊橋でA級優勝。さらに1年後の地元・甲子園ではS級優勝と近畿の先行まくりで売り出し、トップクラスに上がってきた。GI、GIIクラスデビューは平成5年のふるダビ玉野。練習バンクとはお隣りさんとあって(7)(2)(1)(2)と3日間連対を果たした。
 平成11年の競輪祭では(1)(2)(1)(4)。準決で小嶋敬二(石川)山田裕仁(岐阜)を破って2着の金古将人(福島)との連単は(4)(5)で1万830円の大穴。決勝も吉岡稔真(福岡)を追い込んだ小倉竜二(徳島)の4着に食い込んでいる。さらに平成12年のふるダビ福井では(2)(9)(2)(9)。準決で郡山久二(大阪)マークからしっかり流れ込んだ。
 平成17年の玉野西日本王座戦では(2)(2)(4)(6)。初日は永井清史(岐阜)のまくりに離れた山口幸二を抑えて2着に入ると、二次予選では城戸崎隆史(福岡)の2着に入って車単は1万2110円、3連単は10万2770円の大穴を出している。
 昨年の西郷はS2班に収まっていたが、今年1月からS1に復帰し、まくり追い込みの脚が決まりはじめている。戦歴をみると、ダッシュは悪いが体力を活かしたまくり追い込みはしぶとく、体重があるだけに直線の長い500バンクや風の強い玉野や小松島向きと思われる。
 関東では宇都宮、弥彦向きかもしれない。宇都宮のFIでは初日落車したが準決は3着で乗り切り。決勝は目標の伊藤保文(京都)が不発で共倒れになったが、ラインの番手でいくよりも中団のほうが力を発揮するタイプだ。3月小松島では中近ラインで柴崎淳(三重)をかばいすぎて松本一成(新潟)のまくり追い込みの2着に敗れている。ドームで風はなく、重い400バンクの小倉戦の準決では坂本亮馬―紫原政文を追い込み1着で3連単で4万8130円の穴を出した。
 追い込み選手としては当然なのだが、先行をかばいすぎるところもある。もっとシビアになり、一気に出れば400バンクで11秒前半のタイムを持っているだけに面白いのだが…。組み合わせ的に単騎の時が狙い目だ。また時にはラインのない場合に、33とか軽い400バンクでは意表を突く大ギアを活かしたカマシ先行もあるのでお忘れなく。

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