この時期、若手選手はキャンプでアピールするため、懸命にバットを振る。清宮も、そんな激しい自主トレに臨むはずだったが、右手首の炎症で打撃練習ができなくなってしまったのだ。
「練習再開のメドは立ったみたいですが、大事をとって軽いスイングになりそうです。また再発したら、元も子もありませんから」(スポーツ紙記者)
この時期の出遅れは致命的。キャンプで全力プレーができなければ、オープン戦への出場が遅れる。実戦感覚を養う期間が短くなれば、シーズン序盤からの活躍は望むべくもない。さらに「その遅れを取り戻そうと焦って、また故障」なんてことにもなりかねない。
清宮は、去年の今頃も右手親指の骨挫傷で出遅れていた。さらに限局性腹膜炎、脇腹痛と故障が続き、まともなシーズンを送ることもできなかったのである。
「清宮がもろいという懸念は、ドラフト候補だった頃から囁かれていました。清宮の出身校である早稲田実業高は練習量の多い学校ではない。練習時間が長ければいいってモンじゃないが、高校時代に鍛えられた選手と、そうでない選手とでは体の頑丈さが違ってくる」(在京球団スカウト)
対照的なのが吉田輝星。彼の出身校(金足農業)は猛練習で知られる。同じ秋田出身のヤクルト・石川雅規がまだ中学生だった頃、周囲から同校進学を勧められて練習を見学したが、逃げるようにして帰ったという逸話が残されている。
「二軍スタートとなる吉田はキャンプ後半で一軍に加わり、紅白戦にも登板させる予定。吉田も『清宮さんと対戦したい。遠慮しないで思いっきり行く』と宣言しています」(前出・記者)
平成最後のドラフトで、“昭和式スパルタ”で鍛えられた吉田が入団してきたのも不思議な巡り合わせだが、今のままでは清宮は吉田に追い抜かれるだろう。2月16日の紅白戦での怪物対決が見ものだ!