中堅規模のキャバクラに務めるAさん。店でもなかなかの売れっ子で、お客からの評価も高い彼女。しかし、彼女の容姿は取り立てて良いというわけでもない。むしろ同じ店に勤める他のキャバ嬢と比べると見劣りするぐらいだ。体型もそこまでグラマーであったりする訳でもない。そんな割と「普通の子」な彼女がなぜお客からの支持を得て人気もトップレベルでいられるのか。
それは、彼女の接客姿勢にあった。話がうまかったり、サービスが良かったりするのはよくあることだが、彼女の場合はその充実度が段違いなのだ。いわゆるかゆい所に手が届くと言うべきか、細やかな気配りが随所に見られるのだ。
彼女の常連である人々も、口々に彼女といると非常に良い気持ちでいられると話している。
そんな彼女の人気を支える『接客』の秘訣は、彼女がお祖母ちゃん子だったことにあった。彼女は両親が共働きで、小さい頃は祖父や祖母に育てられていたのだという。昔気質の祖父や祖母はしつけが厳しく、特に礼儀作法について教え込まれた。しかし、その裏には他人に対しての気遣いや心配りが少なからず含まれていた。しつけと共に、他人の気持ちを思いやることの大切さも教えられた彼女は、こうして接客業を行う事になった現在、祖父母にとても感謝しているという。
「お客様を満足させてあげられるのも、お祖父ちゃんお祖母ちゃんのお陰だから」
そう言う彼女は、年末年始の休みには必ず郷里に帰り、常に両親や祖父母等への孝行を忘れずにいるのだという。
(和田大輔/山口敏太郎事務所)