当面、各局週に10番組程度、全体で50番組程度が無料配信され、視聴期間は、番組終了後から1週間ほど。現状ではパソコン、スマートフォン(アプリのダウンロードが必要)での視聴が可能で、いずれタブレットでも見られるようになる予定。
視聴者側としては、見たかった番組を見逃してしまい、予約録画もしてなかった際、自分の好きな時間に見ることができるメリットがある。
運営側の民放5局にとっては、飛ばすことができないCM(PR動画)を挿入することで、新たな収入源が生まれ、動画サイトでの違法な番組配信への対抗手段となる点が利点だ。
配信されているのは主にドラマやバラエティ番組で、日テレの「偽装の夫婦」「有吉反省会」、テレ朝の「遺産争族」「科捜研の女15」、TBSの「下町ロケット」「コウノドリ」、テレ東の「所さんの学校では教えてくれないそこんトコロ!」「ゴッドタン」、フジの「オトナ女子」「無痛〜診える眼〜」などが、現在流されている。
本来、ライバルである5局がタッグを組んだサービスだけに、もっと力を入れていいはずだが、正直、どの局も積極的にPRしているとはいいがたく、このサービス開始を知らない視聴者も多いのでは?
現実として、各局的には、「TVer」が普及すると、リアルタイム視聴における“視聴率”が低下する危険性をはらんでいる。視聴率が下がれば、スポンサー離れにつながりかねない。
ネット上での「TVer」利用者の反応はというと、「番組数が少なすぎる」「CMがうざい」「アニメがないのが残念」「配信期間が短い」といった声が圧倒的だが、“無料”であるため、批判的な意見は少ないようだ。
テレビ局側としては、「看板番組の無料配信はしたくない」との事情もあるだろう。確かに、配信番組がもっと増えれば、利用者数も比例して増えていくと思われるが、そこまで踏み込めないのが実情。
「TVer」がどこまで普及するかは、現状では未知数。各局の力の入れ方にもよるだけに、まずは様子見するしかなさそうだ。
(坂本太郎)