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どうなる? 視聴率 在京民放5社が「見逃し番組」をネット配信へ

 日本民間放送連盟(民放連)が在京の民放キー局5社の共同で、見逃したテレビ番組をインターネット上で視聴できる無料配信サービスを、10月から試験的に始めることを決めた。

 すでに、日本テレビやTBSはドラマを中心に、見逃した番組を無料配信するサービスに取り組んでいるが、民放5社が共同でサイトを運営することで、利用者の利便性を高め、インパクトを与えるのが目的。

 配信するのはプライム帯(午後7時〜11時)の番組が中心で、放送後から約1週間程度、配信する予定。ポイントはCM付きで、かつCMを飛ばせないようにシステム化する点だ。

 視聴はパソコンの他、スマートフォン、タブレットでできるようになる。

 背景にあるのは、時代の変化とともに、リアルタイム視聴ではなく、タイムシフト視聴(録画番組の再生視聴)が増えていること、インターネット上に違法な動画があふれていること、そして新たなスポンサー収入源の確保だ。

 見たかった番組があったのに、放送が終わった後に気付いたり、録画予約を忘れたり、あるいは録画に失敗したりするのはよくあることで、見逃した番組を無料でネット配信してくれれば、視聴者側としては助かる。

 タイムシフト視聴の場合、大方、CMは早送りされるケースが多いため、スポンサーや各局としてはメリットが少ない。その点、見逃し番組配信において、CMを飛ばせないように設定すれば、各局としては、ここから新たにスポンサー収入を得る可能性が広がっていく。従って、このシステムが普及すれば、視聴者、テレビ局、スポンサーの3者すべてにとって、メリットがあるわけだ。

 現状、CM出稿動向や料金の指標となっているのが、ビデオリサーチ社が提供するリアルタイムでの視聴率だ。13年10月より、同社ではタイムシフト視聴の調査を始め、今年から本格運用する予定となっている。

 さらに、この見逃し番組配信が始まって、視聴者に広がれば、テレビ番組の視聴の仕方が変わってくる。当然、見逃し番組配信での視聴はリアルタイムの視聴率はおろか、録画再生視聴率にも反映されないため、今後、視聴率そのものの“意義”が問われることになりかねない。

(坂本太郎)

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