アメリカではコンタクトレンズをつけたまま就寝し、恐ろしい感染症に罹患した女性がいる。
海外ニュースサイト『DailyMail』は5月3日、アメリカのノースコロラド州に住む眼科医のパトリック・ボルマー氏が、コンタクトレンズをつけたまま寝てしまった女性の角膜がバクテリアによって壊死した写真をインターネット上にアップし、多くの人に衝撃を与えていると報じた。
紹介されている写真に写っている目は、緑膿菌性角膜潰瘍にかかっており、黒目の部分が黄緑色になり、白目は真っ赤に充血し、目の周りにはねっとりとした大量の緑の膿が滲んでいる。この女性の場合は、抗生物質を点眼し、傷が残るリスクを避けるためにステロイドを処方することで、失明の事態は免れた。それでも、若干の視力の低下が残る可能性はあるという。
同記事によると、緑膿菌は毒性が強く、角膜の傷から感染し、細菌の毒素が涙液を介して結膜にも炎症を起こすので結膜も充血し、かなりの痛みも伴うという。運が悪いと24時間以内に潰瘍が生じ、最悪の場合は失明へと至る危険なものと報じられている。
また、日本眼科学会の公式サイトによると、緑膿菌性角膜潰瘍は、重度の視力障碍につながる疾患で、緑膿菌が角膜感染することによって引き起こされるという。日本でもコンタクトレンズ利用者の増加によって、感染者の若年化が進んでいるとのことだ。
ネット上では、「コンタクトレンズをつけたまま頻繁に寝てしまうことを数年間続けていたら、角膜が変形し始めていると診断されたことがある」といった実際にコンタクトレンズによる事故の当事者と思われるユーザーからの声や、「この女性は一生悔やむに違いない」「怖くてもうコンタクトレンズを使えない」「これは閲覧注意だね」「画像を見たらトラウマになりそう」「緑膿菌って確か角膜を食べて分解するんだって」といった声も寄せられた。
さらに、「ぶっちゃけ2〜3か月は着けっぱなしにしている」「ワンデーのコンタクトレンズを1か月くらい消毒して使ってるけどヤバイのか?」など、ずさんなコンタクトレンズの使用をしているというネットユーザーからの声もあった。
コンタクトレンズ総合メーカー「メニコン」公式サイトによると、コンタクトレンズの正しい使い方は「装着時間を正しく守る」「コンタクトレンズやケア用品(特にコンタクトレンズケース)は常に清潔に保つ」「自覚症状がなくてもコンタクトレンズに傷や汚れがついていることがあるので定期検診を受ける」ように注意喚起されている。
コンタクトレンズを着用している人は、その危険性を甘く見がちだ。慣れているからと言って、感染症や失明の恐れがある以上、そのリスクを軽視するべきではない。また、当たり前のことだが、必ず夜眠る前は必ずコンタクトレンズを外す習慣をつけないと、明日は我が身かもしれない。