気づけば広いフィールドで活躍しているのが、“双子でおねえ”の広海・深海。おすぎとピーコの再来といわれ、ファッション関係に造詣が深いところまでそっくりだ。壮絶すぎるのは、その生い立ち。
三重県で産まれた直後、両親が相次いで蒸発。祖父母に育てられた。家計が貧しかったため、トタンの家が居住地。雨漏り、すきま風は当たり前、電気も止められた。冷暖房は当然ないため、冬はセーターを重ね着。夏は家の前の海に潜った。照明の代わりに、ろうそく。ガスを止められたため、真冬でも水浴び。服を着たまま、水をかぶったこともあるという。
この広海・深海が予想以上に売れたことで、地味な注目を浴びることとなったのが、同じく松竹芸能に所属する、ツインズ。芸歴は先輩だが、松竹に移籍してきたのは、広海・深海が売れたあと。「二匹目のどじょう」を狙いすぎた、か。もっとも、芸歴10年を超えているにもかかわらず、パッとしないままだが…。
笑いの総本山である大阪で、ネクストブレイクとして注目されているのは、吉田たち。昨年、現役高校生が選ぶ漫才No.1決定戦の『第11回MBS漫才アワード』で、初の優勝。フリートークも達者なため、今年は、『アメトーーク!』(テレビ朝日系)の若手深夜枠に抜てきされたほどの本格派だ。
吉田たちと同じ、よしもとクリエイティブ・エージェンシーに籍を置くのは女性コンビ、Dr.ハインリッヒ。実母が出産時、日付変更線をまたいだため、誕生日は1日違い。『THE MANZAI2012』の認定漫才師50組に選出される、実力コンビだ。
このなかから、たっち以上おすピー未満のツワモノが生まれてくるか。バラエティの新未来に期待を寄せたい。(伊藤由華)
写真:ザ・たっち