「昇格した24日は出場機会がありませんでしたね。僅差のゲーム展開となったので、投げさせたくても、そういう場面を作れなかったのでしょう」(プロ野球解説者)
「ブルペンで肩を作っていた」との情報はある。先のプロ野球解説者の「僅差なので登板させられなかったのでは?」なる読み通りだとすれば、斎藤は首脳陣から信頼されていないことになる。
栗山英樹監督(58)の斎藤に対する「あるコメント」が思い出される。2016年11月15日、栗山監督は日本シリーズを征した指揮官として、日本外国特派員協会に招かれ、海外メディアから、こんな質問を受けた。
「斎藤投手は高校時代、あんなに活躍したのに、なぜ勝てないのですか?」
同年、チームの開幕投手は大谷翔平が務めた。そして、2度目の「同一シーズン2ケタ勝利&2ケタ本塁打」と、NPB史上初となる「10勝、100安打、20本塁打」を達成し、2日前の11月13日の侍ジャパン強化試合では、東京ドームの天井に直撃する大飛球を放っている。質問は大谷に集中していたが、頃合いを見計らったように、一人の男性記者が挙手したのだ。
栗山監督は「全部、僕が悪いんです」とすぐ返し、こう続けた。
「勝ち方を知っているピッチャーで、特別な能力があるところは、僕がいちばん信頼しているんですが」
記者がもうひと言聞こうとしたのを遮って、
「(斎藤は)自分で思うような内容ができる時と、できない時があるんでね、彼の中で。こっちはなんとかしたいの一心で。何とかしたいと思っています。もうちょっと時間を下さい」
と力説した。同年の斎藤の成績だが、登板は僅か11試合。勝ち星はゼロだ。質問した記者も栗山監督の熱意に納得したのか、それ以上は質問しなかった。
同年オフの契約更改で、斎藤はエースナンバーである背番号18の返上を申し出た。球団が新しく提示したのが「1」。「なんとかしてやりたい」の思いは球団も同じだったが、一軍と二軍を行き来する現状は今も変わっていない。
「一生懸命やっているのは本当です。でも、いつも一人で考え込んでいます。自身で現状打破の課題を決めて取り組んでいるんですが」(球界関係者)
現状打破の課題を見誤っているとしたら…。思い切って、誰かに相談してみたらどうだろうか。斎藤のファームでの成績は、18試合(38回3分の2)に登板して4勝2敗、防御率3・49。日本ハムの残り試合は、あと2。チャンスが回ってきたら、今季で辞任の意向が伝えられている栗山監督とファンに強いインパクトを残してもらいたい。(スポーツライター・飯山満)