「言わずもがな、視聴率競争において最下位はテレビ東京ではなく、フジテレビという意味。30歳で平均年収2000万円を超えていることから余裕だった局員も、最近は3〜5割近くも下がり、以前のような高飛車な局員は激減しているそうです」(テレビ関係者)
そんなフジテレビが、最後の牙城として局員の心の拠り所となっているのが、映画事業部だという。なんでも、テレビ事業が右肩下がりであるのとは対照的に、常に右肩上がりで売り上げを伸ばしているからだ。事実、他局が参入する映画プロジェクトが軒並み赤字化する中、フジだけが莫大な黒字額を叩き出している。昨年度分だけを見ても、
「主なところですが『今夜、ロマンス劇場で』が興収約10億円。『いぬやしき』が8億円。『万引き家族』は45億円。『劇場版コード・ブルー ドクターヘリ緊急救命』にいたっては約100億円という金額なんです。他にも話題作があり、すべて合計すると、200億円は軽く達成するはずです」(配給会社プロデューサー)
当然、'19年度も同額の売り上げ額が見込めるのでは、と算盤がはじかれている。それにしてもなぜ、フジだけが映画を大ヒットさせられるのか?
「脚本やキャストなどはもちろんだが、国内最大手と言われる東宝とのパイプがどこのテレビ局よりも強力なんです。東宝はフジの親会社である持株会社『フジ・メディア・ホールディングス』の筆頭株主。そんな事情から、同局が製作する映画は基本、国内に多くの映画館を意のままに扱える東宝が配給元になるんです。結果、それだけ視聴者の目に触れる機会がおのずから激増する」(同)
すでにフジテレビを受験する学生の8割以上が映画事業を志願し、殺到するありさまだという。映画事業のノウハウを活用し、本業のテレビ部門を盛り返すことはできないものか…。