史上最多となる32選手が参加した今年のNJC。勝てばアメリカROHとの合同興行、『G1 SUPERCARD』のメインイベントで、ジェイ・ホワイトのIWGPヘビー級王座への挑戦権が与えられるとあって、1回戦から激闘続き。ファンの間からはNJC史上最高の大会という声も聞こえている。
CHAOS同門対決が並んだ20日の静岡大会では、石井智宏を相手にYOSHI-HASHIが今年1月の復帰以降ベストとも言えるファイトを展開。石井との打撃合戦にも引けを取らなかった。最後は垂直落下式ブレーンバスターで敗れはしたものの、今後につながる闘いを見せたと言ってもいいだろう。
メインではオカダとオスプレイが約1年ぶりのシングル対決。1年前はオカダがIWGPヘビー級王者、オスプレイはIWGPジュニアヘビー級王者だった。あれから1年が経ち、オカダはベルトを失い、オスプレイはNEVER無差別級王者としてオカダの前に立った。
オカダはジュニアに専念していたころと体重はあまり変わらないが、ヘビー級選手を次々に撃破し続けているオスプレイを相手に大苦戦。甘く見ていたわけではないだろうが、昨年の対戦時よりも“あわや”と思わせる場面も多く、オスプレイの急成長ぶりが際立っていた。試合はレインメーカーでオカダが勝利を収めたが、試合後はオスプレイに「早くヘビー級に来い!」とラブコール。次に対戦する時は違うシチュエーションになるかもしれない。
21日の浜松大会では、鈴木みのるの厳しい関節技をしのいで準々決勝に進出したSANADAが、矢野通との頭脳合戦を制したコルト・カバナと対戦。カバナのトリッキーな動きに翻弄されそうになったSANADAだが、みのる戦が自信になったのか終始落ち着いたファイトスタイルで、最後はSkull Endでカバナにギブアップ勝ち。危なげなく準決勝への進出を決めた。
メインでは棚橋が「苦手」と公言するザックと対戦。1回戦でEVIL、2回戦で飯伏幸太を破ったザックは試合の序盤から主導権を棚橋に渡さない。棚橋はザックを挑発しながら“ワンチャン”を狙う作戦に。最後はザックの一瞬の隙をついて張り手から、リバースのツイスト&シャウトを決めると、すかさずジャパニーズ・レッグロール・クラッチ・ホールドでカウント3。ザックも得意とする丸め込みで勝利を収めた。試合後ザックは大荒れ。棚橋はエアギターを披露すると、浜松のファンにNJC優勝とMSGでの王座奪回を約束して大会を締めた。
準決勝は23日、決勝は24日に新潟・アオーレ長岡でそれぞれ行われる。オカダ対石井、棚橋対SANADAともに激戦が必至だが、棚橋にとって長岡は鬼門。SANADA戦を突破すれば棚橋が優位。棚橋が準決勝で敗れると、SANADAにまだ負けたことがないオカダが、ジェイに最高の舞台でリベンジを果たす可能性が高い。MSG決勝に向けて長岡2連戦も見逃せない。
取材・文・写真 / どら増田