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タネヨシホ、高橋兄弟、“イチロー世代”大月晴明がKNOCK OUT初の大阪大会で大激闘!

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タネヨシホ

『KNOCK OUT 2018 OSAKA 1st』
▽3日
エディオンアリーナ大阪・第2競技場
観衆 850人(超満員)

 キックボクシングイベントKNOCK OUTが大阪に初進出した。

 小野寺力プロデューサーは「いつもに比べたら演出に少し苦心した」と話していたが、リングサイドでテレビのゲスト解説を務めた不可思に話を聞くと「会場の雰囲気はすごく良かったですね。僕はここで試合をしたことがないので、いずれやってみたい」と笑顔。リングにスポットライトを当てる会場演出を称賛していた。来年は不可思の地元である愛知大会も計画されている。KNOCK OUTサイドの「東京大会と同じクオリティ」を地方でも提供しようとする貪欲な姿勢をこれからも応援していきたい。

 大会は高橋兄弟の長男、一眞が茂木俊介と対戦予定だったが、茂木が大会直前に病院へ緊急搬送されるアクシデントが発生し、試合をキャンセル。大会前日の夜にフィリピンのチュー・トップキングと対戦することに決まった。トップキングはキックボクシング、ムエタイ、MMA、ボクシングとさまざまな競技のプロ経験が豊富で、通算戦績は38戦26勝10敗2分の強豪だ。

 急に相手が代わり、さすがの一眞も「心が折れた」そうだが「高橋兄弟を目当てに来てくれるファンと、KNOCK OUT初の大阪大会をモチベーション」にして、気持ちを切り替えた。1R、28秒で右ヒザ蹴りが鼻のあたりにヒットし、見事KO勝利。このKO劇からエンディングまで、会場のボルテージが下がることはなかった。今大会における一眞の功績は大きい。

 この日、最大のインパクトを残したのは、6月の後楽園ホール大会から開催される『KING OF KNOCK OUT初代フライ級王座決定トーナメント』の出場が決まっているタネヨシホと、MASA BRAVELYの一戦。本人が待ち望んでいたKNOCK OUTの地元開催ということもあり、試合前から気合が入っていたタネだが「トーナメント前だから負けられないプレッシャーもあった」という。

 1R、2RはMASAの動きを見ながらタネがパンチや前蹴りで牽制していく展開。試合後、タネは「MASA選手は思っていたよりも強かったです」と相手をたたえた。しかし3Rになると一瞬の隙を見逃さずバック肘を炸裂させた。MASAは起き上がることができずタネがKO勝利を収めた。

 タネはバック肘について「偶然入った」と笑っていたが、試合終了直後、リング上で肘を突き出してアピールした。タネは「フライ級トーナメントでは勝ち上がって、ずっとやりたかった石井一成選手と試合がしたい。次に大阪大会に出るときは僕もお兄ちゃん(多根嘉輝)と一緒に出たい」と強調。昨年からずっとアピールしていた石井一成戦の実現と、ジュニア時代に那須川天心とも対戦し、タネに触発される形で復帰した実兄・嘉輝との「兄弟揃い踏み」を熱望した。

 セミファイナルでは高橋兄弟の次男・亮が、KNOCK OUTのレギュラーファイター宮元啓介と、5Rにわたる激闘を繰り広げた。会場は常に沸きっぱなしだった。試合は後半、宮元の粘りに苦戦したものの前半のポイントを守り切り、亮が判定勝利を収めた。試合後に「実は1カ月前に兄ちゃん(一眞)のヒザ蹴りを顔面に受けて、鼻を骨折しまして…。全治1カ月半って言われたんですけど、大会の目玉にしていただいたので、出場しました。兄ちゃんがそのヒザ蹴りで勝って、僕も勝てたので良かったです」と衝撃の告白をしながらも報道陣を笑わせた。最後に「次は三男の聖人も出させてもらって、高橋三兄弟はKNOCK OUT大阪大会のエースになります!」と力強く宣言した。

 メインでは、今年45歳になる“イチロー世代”のキックボクサー大月晴明が、ピエロ・ブラザーズとして兄・裕人とともにKNOCK OUTのリングを盛り上げてきた地元の山口侑馬と対戦。年齢差22歳という世代を超えた対決だったが、1Rから大月がラッシュをかけて侑馬を押していった。これには会場のファンのみならず、詰めかけていたキックボクサーからも「スゲェ」という声が上がった。2Rに入り一気に勝負に出た大月は右フックでダウンを奪い、起き上がった侑馬に今度は左フックを浴びせて再びダウンを奪った。侑馬は何とか起き上がるが、大月のラッシュは止まらない。3ノックダウンで大月が勝利を収めた。

 「自分は44歳でもやれているのは、若いヤツにエネルギーをもらっているから。アラフォー、絶対に若いヤツに負けてたまるかって気持ちでやれています」とリング上で叫んだ大月に、なにわのファンは大きな歓声と拍手。大阪大会をしっかりと締めてみせた。

 インタビュースペースではなんと「次は森井洋介選手がこの前負けた、あの外国人とやってもいい」と第2代KING OF KNOCK OUTライト級王者のヨードレックペット戦を提案。これには小野寺プロデューサーも「面白い。魅力のあるカード。大月晴明なら何かやってくれるかもしれないという期待感がある。検討したい」と前向きな姿勢を見せた。

 今回は、全6試合中4試合がKO。判定だった2試合も激闘だった。KNOCK OUTというキックボクシングイベントの大阪初進出は成功だったと言える。次の大阪大会は9月8日に同所で開催されるが、小野寺プロデューサーは「いずれは上(第1体育館)でやりたい」と攻めの姿勢を貫くつもりだ。この熱量が続けばそれも決して夢ではないだろう。

取材・文・写真 / どら増田

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