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【雅道のサブカル見聞録】歴史オタ知識を高めたいならこの番組

 三国志、戦国時代、幕末などの歴史知識はオタクの間では、昔からアニメやゲームでパロディーネタにされることが多く、欠かせないものだった。最近では三国志の英雄や戦国の武将達が女体化されるアニメやゲームが増えるなど、オタクの歴史知識はさらに深いものが求められている。複雑な歴史ネタを楽しく学べる番組が『戦国鍋TV 〜なんとなく歴史が学べる映像〜』だ。

 この番組は今年の4月から独立U局系で放送されている歴史バラエティ。企画構成を担当しているのは『ゲームセンターCX』なども企画者としても有名な酒井健作。ちなみにDVDでの映像化もなされており、現在三巻まで発売されている。「歌謡コーナー」、「コントパート」、「ドラマパート」など複数コーナーで構成されおり、戦国時代の史実に基づいたネタに現代のテイストを混ぜて放送しているのが、本番組の特徴。コーナーの具体例を出すと、オカマバーのママとなった織田信長が現在の会社員の悩みを自分が体験したエピソードで解決する“うつけバー「NOBU」”。有名軍師達がコールセンターのオペレーターとなり、武将たちの戦の悩みを解決していく“戦国サポートセンター”など、現代風のやりとりと武将たちのガチエピーソードのギャップがたまらない。これには歴史好きでなくとも思わず笑ってしまうだろう。

 その中でもドラマコーナーの“戦国ヤンキー川中島学園”は名作だ。これは上杉謙信と武田信玄が数度に渡り争った川中島の戦いを不良グループの抗争にみたてたもの。内容的にはチャンピオンの某ヤンキーマンガの実写映画版にそっくり。信濃制覇が「学園テッペンを獲る」、天下統一が「町内制覇」など、完全にヤンキーマンガ世界になっている。時々入る解説は史実に基づいたものでとてもわかり易く楽しい。特に第4次川中島の戦いはゲキ熱だ。教師用コンパス片手に原チャリで謙信が信玄の本陣に単騎突撃してくるシーンには謎の感動を覚える。このコーナーは残念ながら現在完結してるので、魅力を知りたい方はぜひDVDで確認してほしい。現在、本放送の「ヤンキー風戦国ドラマ」は大阪の陣を不良グループの抗争にみたてた“大坂ハイスクール 高校与太郎爆進ロード”が放送されている。淀殿はスケバンのいでたちで登場。往年のマガジンのヤンキーマンガに酷似している。

 歴史の教科書に載っているようなお馴染みのエピソード以外にも、戦国時代に詳しい人が喜ぶネタが各所に用意されている。コントコーナー「戦国武将がよく来るキャバクラ」では長宗我部元親、松永久秀、北条氏康などが登場。この渋い人選は戦国オタの人々には大好物なはずだ。歌謡コーナーでは、賤ヶ岳の七本槍をモチーフにした「SHICHIHON槍」という男性アイドルユニットが現れる。ちなみに豊臣秀吉プロデュースのこのユニットはメンバー仲が悪く空中分解するというオチがつく。細かいネタの数々にはスッタフの“戦国時代”への愛を感じる。

 出演しているタレントは『仮面ライダーシリーズ』などの特撮やテニスの王子様ミュージカルで有名な人が多く、彼らが本気でコントをしている姿にも注目。歴女やイケメンタレント好きの女性にもオススメしたい。
 
 伊達政宗がパーリィーしたり、本多忠勝がロボットで登場する某ゲームもいいが、こういう知識欲も満足できる歴史バラエティーもたまにはどうだろうか。(斎藤雅道)

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