「中日の課題は世代交代です。主力選手の高齢化が進んでおり、谷繁政権は若手、中堅の育成で評価されると思う」(関係者)
自前の若手、中堅選手を使うから大きな補強に打って出なかったという意味か…。
自前戦力を使うのだとしたら、キーマンはドラフト3位の桂依央利(22=大商大)ではないだろうか。
13年シーズン、中日は屈辱的な記録もカウントしていた。盗塁阻止率はリーグワーストとなる1割8分3厘で、2割を切ったのは史上6球団目、球団史上で見てもワーストなのである。122試合にマスクを被った『捕手・谷繁』の後継者育成が急務となるが、捕手の補強はドラフト3位の桂だけだ。
桂は関西六大学リーグで首位打者を獲得するなど活躍しており(4年春)、ドラフト会議当日に配られた資料にも「遠投115メートルの強肩が武器」と記されている。
「リーグワーストの盗塁阻止率は谷繁の衰えだけが理由ではありません。中日の投手陣は走者を背負っても、クイックモーションをあまり使わない。とくに外国人投手のカブレラと組んだときは、19回全て盗塁を許しており、捕手だけではなく、バッテリーの連帯責任が問われました」(前出・同)
こちらは、森繁和ヘッドコーチによって徹底されていくだろう。
肩の強さなら、谷繁よりも新人の桂。配球面など捕手としての総合力ならば、谷繁にスタメンマスクを任せるべきである。しかし、監督・谷繁は思い切って、この桂を使うべきだろう。近年、活躍している捕手は1年目から一軍戦でマスクを被っている。古田がそうであり、巨人・阿部も配球や捕球難の弱点を抱えていたが、長嶋茂雄監督(当時)は実戦のなかで育てて行った。谷繁も高卒ながら1年目からマスクを被る機会に恵まれ、今日に至っている。谷繁は25年目の今季、初めて盗塁阻止率が1割台に沈んでおり、兼任監督となったことでスタメンを譲る決心も付いたのではないだろうか。
野手陣では平田良介が2年続けて11ホーマーを放った。昨年ドラフト1位の高橋周平も閉幕まで5アーチを放った。この2人が『谷繁ドラゴンズ』を背負っていくだろう。