彼が農家を訪れた際、相手の男性が野沢菜に関して詳しい説明をしてくれているにもかかわらず、無愛想な空返事で対応。さらに「で、捨てるものとかって?」と相手の話を遮って、食材の提供を急がせたことが視聴者から反感を買ったのである。
いつもはTOKIOのメンバーが交渉し、その丁重な言葉使いと人柄の良さが印象的であるため、大倉のぶっきらぼうな態度がより目立つこととなったようだ。しかしそこにこそ彼を落とす糸口はある。
今回の評判が農家に知れ渡ってしまったことで、今後、大倉は野沢菜を貰えない可能性がある。そこで私たちに出来ることは、野沢菜教を結成することだけ。まず自分の体を白装束で包み、頭の上に野沢菜をポンと乗せれば、これはもうどこからどう見ても野沢菜教の一員である。その活動目的は、野沢菜の素晴らしさを伝えるということだけ。
あとは野沢菜が欲しいのに貰えず、オロオロしている大倉に遭遇したら、「お困りのようですね。もしよかったら私の野沢菜を使ってください」と髪の毛に密着した野沢菜をブチブチっと引き放そう。すると彼は「いいんですか? ありがとうございます!」と野沢菜を手にし、思わずパクッと口に入れるに違いない。その瞬間、「あ、あ、アァァアアアーーーン! ダメよ! ダメよ! 歯は立てないで〜〜〜!!」と絶叫しながら、そのまま失神しよう。
ここまで来ればもうこちらのもの。次に目を覚ますと、そこは大倉宅のベッドの上。彼は倒れた私を自宅に運び、一晩中看病してくれていたのだ。その後、彼も野沢菜の農家に迷惑をかけてしまったという後ろめたさがあるため、野沢菜教に入信することは確実。あとは2人で、野沢菜鍋でも食べながら、ゆっくりと愛を深めていこう。
文・篠田エレナ
母子家庭で育ち、貧困時代は、使用済み衣類をインターネットで売買しながら生活する。それからセクシーキャバクラ嬢に転身し、ナンバー1の地位に登りつめるも、客から乳頭をかじられ負傷したため業界を引退。その後は日本人を代表して、女性の痛みや苦しみを伝えるべく、意識高い系ノンフィクションライターとして活躍している。