これはインド東部のチェンナイ地方で生まれた赤ちゃんが汗をかくごとに自然発火した、という現象で報道によると過去3回、体が炎に包まれ負傷しているという。
初めて発火したのは生後9日目で、原因はラフル君の汗に何らかの可燃性物質が含まれていると分析しているが不確定のままである。
体が炎に包まれるという事例は世界で過去に何件か発生している。
最も古いとされている明確な事例は1951年、アメリカのフロリダ州で起こったメアリー・リーサー夫人の発火事件である。
これはメアリー・リーサー夫人が炎に包まれ死亡していた事件で現場には履いていたスリッパと足の一部だけが残されていた。夫人の体はほとんどが灰になっており、相当に強い炎が体から発生したと見られている。
その他にも1988年にイギリスの南部で男性が下半身だけを残して焼死しているのが発見されたり、最近でも2008年に中国で性交中の男性の陰茎が突然発火し命に別状は無かったものの陰茎が消し炭のようになったという事件があった。
また、2010年にもアイルランドの男性がメアリー夫人の事件の同じように体のほとんどが焼けた状態で死亡したという事例もある。
このように人体発火事件はここ最近で急に事例が増えているのだ。
日本では特にこのような人体発火の事例は報告されていないが、江戸時代より鬼火、狐火を代表とする火の玉が数多くの伝承に残されているように、「何もないところから炎が発生する」というのは決して海外だけに限った話ではない。
また、人体発火のメカニズムは徐々に解明されつつある。赤ちゃんのかく汗から特殊な成分が含まれていることが科学的に判明しつつあるのだという。
今回の赤ちゃんの自然発火現象はこれまで、度々報告されてきた「人体発火現象」の謎をひもとくヒントになるのではないだろうかと思われる。
(山口敏太郎事務所)