そもそも人魂とは、死んだ人間の魂が宿った火の玉を指しているが、地域によっては鬼火や怪火など、さまざまな呼び名が付けられている。その大きさは人の握り拳大から、顔ほどの大きさまでの種類があり、その色も赤やオレンジ、青白い色などが確認されている。それらの多くは、比較的に低い場所に浮かんでいたり、或いは高速で飛び回ることもある。
人魂は人間のそばに来ても、熱を感じないと言う。また、人魂が家の中に入る場合は、その家から死者が出ると言われている。
近年では良く、オーブと呼ばれる円状の光が写真などで拝見されるが、人魂とオーブとは明らかに異なる。オーブは基本的に、目には見えずに写真などに写りこむが、人魂は目によって目撃されるものである。
人魂は墓場や川などで多く目撃されているが、基本的には場所には関係なく出没すると言われている。
人魂は科学的に証明が出来る。そう言って自らが考案した空間で実験をしたのが、早稲田大学の大槻教授である。
大槻教授曰く、人魂は心霊的なものではなく、科学的に立証が出来る。そう言って用意をした、四方を透明ガラスに囲まれ密閉された狭い空間で、教授は実験をしてみせた。教授曰く、人魂とはプラズマが発光したに過ぎないと言う。
その実験時にプラズマによって、一瞬光が見えたかと思うと、あっという間に光は消えてしまったが、大槻教授はさも自慢気に、これで科学的に証明が出来ましたと言っていた。
だが、プラズマと人魂の根本的な違いは、人魂は浮遊したり、移動が出来る点である。プラズマはそれが発生する場所を、自然的に作るのは困難である。よって、プラズマを人魂と解釈するのは無理があるのではないだろうか。
人魂は良く墓場で見られる場合が多い。そのようなことから、人魂は「人の燐」が燃えているのだという説が古くからある。墓場に土葬された、人の骨に含まれる燐が雨などに反応して、光を発すると言う説である。
しかし、それも科学的に証明された訳ではなく、また浮いているだけならまだしも、人魂が移動するのに対して、この説が当てはまるとは言えない。
人魂はやはり心霊的に解釈するのが、一番しっくりとくるのではないだろうか。
(藤原真)