海外ニュースサイト『Business Insider』と『Shanghaiist』は5月21日、中国最大の火鍋チェーン店『海底撈(かいていろう)火鍋』の雲南(うんなん)省・昆明(こんめい)市内の店で、客が火鍋の中に落としたライターが爆発したと報じた。同店は、中国各地に190店舗以上の店を構え、ロサンゼルスやシンガポール、東京にも進出している有名店。ほとんどの店舗で、料理を待っている間にネイルケアやマッサージのサービスがあり、質の高い接客も人気を集めている。
記事によると、同店に訪れた、とある客2人が食事をしている際、煮えたぎる火鍋の中に誤ってライターを落としてしまったという。客から「鍋にライターを落とした」と聞いた女性店員が、お玉杓子(じゃくし)を使ってライターをすくおうとしたが、鍋をかき混ぜた瞬間にライターが爆発。記事が公開した動画には、火鍋の熱湯が1メートル近く飛び散り、女性店員と2人の客の顔に直撃している様子が映っている。その後、女性店員と2人の客は病院に運ばれ、手当てを受けたという。海底撈火鍋本社は取材に対し、2人の客は軽傷だが、女性店員のケガの具合については確認中だと答えている。また、同社は2人の客に謝罪をし、今後の対応については検討中だとのことだ。
このニュースが世界に広がると、ネット上では「女性店員が気の毒すぎる」「まさか火鍋の中でライターが爆発するなんて誰も思っていなかっただろう」「わざとではないといえ、客にも責任がある」といった声が寄せられていた。
ライターは着火時以外の場面でも取り扱いに慎重にならなければならない。
独立行政法人国民生活センターの公式サイトによると、ライターは50度以上の高温になると、内部のガスが膨張し、爆発する可能性があるという。また、車のダッシュボードも高温になりやすい場所であるため、ライターを置きっぱなしにすると爆発するそうだ。雨や曇りの日でも、車の中は高温になりやすりため注意が必要だという。
また、同サイトは、ライターを取り扱う際は、車の中はもちろん、ガスコンロやストーブの近くなど高温になりやすい場所や、直射日光の当たる場所にライターを保管したり放置しないように注意喚起している。2009年には、湯を沸かしていた鍋の中に、70代の男性が誤ってライターを落とし、熱湯が天井まで飛び散る事例が、兵庫県の但馬消費生活センターから報告されている。
ライターは保管場所にも注意する必要があるようだ。悲惨な事故が起こる前に、今一度、取り扱い方を見直してみるといいだろう。
記事内の引用について
Haidilao hotpot explodes in face of waitress who was trying to fish out customer’s lighter (Business Insider)より
https://www.businessinsider.sg/haidilao-hotpot-explodes-in-face-of-waitress-who-was-trying-to-fish-out-customers-lighter/
Hot pot “explodes” in Haidilao waitress’s face as she tries to fish out lighter dropped by customer(Shanghaiist)より
http://shanghai.ist/2019/05/21/hotpot-explodes-in-haidilao-waitresss-face-as-she-tries-to-fish-out-lighter-dropped-by-customer/
9月の処方箋(兵庫県但馬消費者生活センター)より
http://www.tajima-syouhisya.jp/syohousen/s2109.pdf
ライターは安全に正しく使いましょう!(消費者庁独立行政法人国民生活センター)より
http://www.kokusen.go.jp/pdf/n-20170601_1.pdf