7月21日投開票の参院選で、獲得議席数では選挙区全員当選(7議席)、比例区と合わせて14議席と過去最高だった公明党。投票率が40%台に低迷する中、創価学会員にとっては胸の張れる結果である。しかし、当の創価学会内からは正反対の声が聞こえているのだ。
今回の公明党比例区得票総数は約650万。これは1992年参院選時の約645万に近く、861万をたたき出した2004年選挙からは、実に200万も減少している。
退潮傾向は、比例区のみではない。7人の選挙区当選者のうち2016年参院選より票を上積みしたのは、東京選挙区の山口那津男代表のみ(約4.3万増加)。最重点区の兵庫は、根こそぎ動員された創価学会員であふれ返ったものだが、得票数は'16年選挙より約4万弱も減らしているのだ。
唯一の“将来性”は若年層の投票先。時事通信社が行った出口調査によれば、10代の投票先で公明党は1位。しかし、20代になると、トップは自民党と入れ替わっている。
「東京の山口氏が80万以上の獲得票で当選し、反創価学会(執行部)の『れいわ新選組』候補は21万票を取りました。これは、東京の創価学会員が、むしろ気合いを入れて選挙活動した結果を示しています。既存の創価学会票が、れいわ候補に流れたとは説明がつかない」(ジャーナリスト・山田直樹氏)
一部下馬評では「公明党選挙区は1勝6敗もある」という予想まであった。
「今回の選挙は40%台の低投票率だった。組織票が有利に働いた選挙で『公明党は善戦した』なるジャッジは大きな疑問符がつきます。学会員は期日前投票が原則。それこそ、学会員は艱難辛苦を乗り越えて、投票活動にいそしんだのに、過去の実績を下回った。言い換えれば、凋落傾向に歯止めがかからないと見たほうがいい」(政治担当記者)
参院選では、若者層(特に20代)の票を取り込めなかったのが誤算ではなかったのか。同時に創価学会の“これから…”に注目していきたい。