今節出場者の約3分の1は、ひと月前の当地57周年を走っている。普通はそのときの流れに乗るところを、逆の手に出て滑り出しに成功したのが中尾誠だ。あえて前回を断ち切ったのが正解だった。
「周年のときは、色々な人にプロペラを聞きすぎて分からなくなってしまいました。そこで今回は自分のプロペラを信じようと…。だから迷いはないですよ。伸び型でこれはいい部類、乗り心地も悪くない」
(1)(2)の成績が、中尾から迷いを吹っ切ってくれた。2日目は人気にならない枠番だが、肩の力が抜けたいまなら、舟券に絡んでこれる。絡んでこれれば、得点計算もグッと楽になるというものだ。
その周年では、準優3着と敗れた湯川浩は「エンジンのパワーは今回のほうがありますよ」という。で、本人の調子も、今月に入って江戸川のG1を奪取と、右肩上がりの再来だ。
「チルトを05まで跳ねたのは、やりすぎやったかも知れませんが、その分、伸び返していきましたからね。出アシが甘かったので、0度を考えます」
初戦の1号艇を1着で、最初のノルマを達成した。この選手の場合はインでも何でも、滑り出しで自分を調子づかせるタイプ。あとは節一クラスの伸びに、出アシをどう馴染ませるか。
イン7勝、9連対の初日を締め括ったのは、ドリーム戦の菊地孝だったが、一旦差した松井繁もさすがの調整力。2日目12Rは、枠番を違えて再戦する。「菊地のほうが分はいいが、自分もよくなっている」。インと6コースなら、今度は松井が勝つだろう。