ここで事件が勃発したのだ。
▼ドラマティック・ドリームマッチ
男色ディーノ&石井慧介&大家健 対 グレート・ムタ&佐々木大輔&遠藤哲哉
自宅でハイな状態のときにムタと会ったというダムネーションのリーダー佐々木大輔が、1.28後楽園ホール大会で「グレート・ムタはダムネーションのペットだってことだ。両国、覚悟しとけ!」とディーノに宣戦布告した。「?」となっていたディーノとムタのパートナーが一気に決定したこのカード。
遠藤は「実はムタのファンだった」ことを明かし、佐々木は「試合当日までどうなるかわからない」と素直な心境を述べると、大家は「プロレスをメジャーにするために、ムタ戦はチャンス」と絶叫。石井は「90年9月から見て来たムタと対戦する日が来るとは」と感慨深い様子を見せた。
4選手のコメントを受けて最後にマイクを握ったディーノは「ワタシはゲイです」と誰もが知っている事実を今さらながら「カミングアウト」。「今回は怪奇なメンバーをそろえたの。ワタシは『世界一怪奇派決定戦』のつもりで、味方の2人も敵だと思って試合をするわ。一発勝負の面白さを楽しみたいわね」と意気込んだ。
すると、ここで司会の村田晴郎アナウンサーが、所用のため会見を欠席したムタから手紙が届いたと登壇者に伝えた。
男色ディーノ?知らんな。
ただ俺に挑んでくるなら
三月二十五日両国当日まで
貴様は毒の呪いを
受けることになるだろう…
村田アナが手紙を読み上げると、ダムネーションの2人は突然震え出し、会見場は騒然。この試合の会見も打ち切られてしまった。
その他の試合の会見が終わり、ディーノの記念撮影が始まったとき、さらに事件が起こる。フリーの橋本宗洋記者が、突如、オフィシャルのカメラマンに割り込み、ディーノを至近距離から写真を撮りまくったのだ。
ディーノも「近いわねぇ」と困惑の表情を見せたその時だ。何と橋本記者がディーノに赤い毒霧を噴射。ディーノは顔を真っ赤にしながら倒れ、橋本記者もダウンした。吐血したのかと思った団体関係者が橋本記者に「大丈夫ですか?」と慌てて声をかけ、橋本記者は控室へ。石井と大家がディーノを介錯したが、なかなか立ち上がることができなかった。
これが毒の呪いなのか?
意識を取り戻した橋本記者を直撃すると「全く覚えてない」と言う。私は橋本記者の隣に座っていただけに、一歩間違えば私がムタの毒の呪いの化身になっていたかもしれない。そう思うとゾッとする。
3.25両国大会ではムタとして最後のムーンサルトプレスが見られるのではないか?という期待感もあるだけに、呪いの行方ともども注目していきたい。
取材・文・写真 / どら増田