連覇に向け原ジャパンが船出した。
この日、代表候補選手33人が集結。ユニホームが配布され、全選手によるミーティング、ドーピング検査などが行われた。
サムライジャパンを率いる原辰徳代表監督は「ジャパンというチームは、世界に散らばっている日本野球人の憧れであり誇り。皆さん力を合わせて強いチームを作りましょう」とあいさつ。メンバーを鼓舞したうえで「最終的に28名に絞り込む。残ったメンバーは誇りを持ってほしい」。改めて今回の合宿が“代表選考レース”であることを強調した。
現在、原監督は28人中、投手が13人、野手が15人という構成を考えている。その中で松坂大輔(レッドソックス)については、この日の夜、テレビ番組で「決まっています」と先発で使うことを明言した。イチロー(マリナーズ)も、すでに“内定”を出しており、残る枠は限られている。代表入りへ、アピール合戦が始まることは必至。
山田久志投手コーチは16日に予定していたシートバッティングを取りやめ「今からピッチャーを集めて酒でも飲みながら、どういうこと(調整)をやりたいのか希望を聞く」と、酒の席で本音を引き出すつもりだ。
城島健司捕手(マリナーズ)に至っては、巨人・阿部、西武・細川らとの正捕手争いについて「それに関しては(誰も)与えられるポジションは(決まって)ないんで」とズバリ。合宿でのアピールで自らポジションをつかみ取る意気込みだ。「投手の顔ぶれを見ても捕手の役割は大きい。早く15人の良さを把握しないと」と準備に抜かりはない。
松坂やイチローなどの「メジャー組」は、その実績からいってもレギュラーは確約されているといっていい。では、なぜ味方との勝負にこだわるのか。そこには、王相談役の存在がある。
王相談役は、第1回大会で共に戦ったイチローを「彼のプレーが見られるし楽しみ。チームを引っ張っていってくれると思う」と絶賛。その一方で、各ポジションについては「現時点では何の保障もない」と言う。いわゆる“メジャー特権”は認めない方針を示した。メジャーリーガーであっても落選する可能性があり得るのだ。
この発言を知ってか知らずか、この日のイチローは一言も発しなかった。松坂も「グラウンドに集まったら、また違う雰囲気になる」と気持ちを引き締めた。生き残りを懸けて早くも代表候補にピリピリムードが漂う。
ついにスタートが切られたサバイバルレース。28人に残れるメジャーリーガーは何人いるのか。