三浦監督は就任1年目の今シーズン、大きな期待を受けながら最下位に終わってしまった。監督自身も「変わっていかないと。2022年は新しいものを作ってみせなければいけない」と強く決心。昨年度のオフはFAで井納翔一、梶谷隆幸を放出する一方、補強はスワローズを戦力外となった風張蓮を獲得する程度の控えめな動きしかなく、現有戦力の底上げに期待するしかない状況だった。
それが一転、このオフは98年優勝メンバーをコーチとして続々招聘し、イーグルスを自由契約となった藤田一也、ファイターズをノンテンダーとなった大田泰示らの経験豊富なプレーヤーを獲得。12球団を見渡しても積極的な動きを見せている。
ベイスターズで戦ったこともある藤田に関しては「現役からどんな形でも戻ってこいよと話はしていましたし、今回縁があって現役として戻ってきてくれる」と目を細め「昨年ファームで見ていても動きは良いですし、もう一花咲かしてもらいたいと思います。経験豊富な選手ですし、ゴールデングラブ賞も取って、楽天でたくさん経験して戻ってきてくれます。若い選手に与える影響は大きい」と類まれなるリーダーシップに期待。2年前に広い札幌ドームを本拠地とするファイターズで20ホームランをマークした大田には「東海大相模高出身なので横浜スタジアムは庭みたいなもの。暴れてもらいたい」と地元に戻った大砲の復活に期待を寄せた。
今シーズンは「競争が少なかったと思います。チーム内競争を激化させていかないといけない」と“競争”を逆襲のテーマにあげた指揮官。来シーズンへの戦いは、もう始まっている。
写真・取材・文 / 萩原孝弘