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なぜドイツでは電車で赤ちゃんがギャン泣きしても、白い目で見られることが少ないのか

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 先日、Twitterで「日本航空(JAL)では座席予約の際、赤ちゃんがいる席が分かるマークが表示されている」といった内容の投稿があり、ネット上で話題になった。多くのメディアがこの投稿をニュースに。赤ちゃん連れの乗客の席を事前に示すことで、「赤ちゃんが泣いてしまった際のトラブルを避けることができるいい仕組み」「事前に知らせることは母親にとっても安心材料」といった声が世間から集まっていた。

 しかし、この仕組みは国によっては必要ないようだ。例えば、ドイツでは子供の泣き声に対し、嫌悪感を示す人は少ないという。ヨーロッパの中でも少しシャイな国民性を持つドイツ人は日本人と似ていると言われるが、なぜ、ドイツでは子供の泣き声が受け入れられやすい体制が整っているのだろうか。

 まず、最も大きな理由の一つにドイツでは「子供が発する声は騒音ではない」と定めた法律があることが挙げられるだろう。この法律は2011年に定められたが、これにより子供が発する大声や泣き声はもちろん、保育施設等から出る職員の声も騒音ではないと定義された。ドイツ人には法律が全てという気質があり、法律で定められているのなら文句は言えないという雰囲気がある。この法律が定められて以降、公共の場での赤ちゃんの声に対し、より寛容になったそうだ。

 「ドイツでは何かトラブルが起きた時、まず法律を調べて法律に沿って解決する習慣があります。子供の声が騒音でないと法律で決められてからは、夜中に赤ちゃんが泣き叫ぶ声が聞こえても『法律で決められているから受け入れるしかない』と思う人が多くなったようです」(ドイツ人女性)

 法律だけではない。ドイツには赤ちゃんを受け入れる環境もあるようだ。電車やバスで赤ちゃんが泣いてしまうことはドイツでもよくあるが、赤ちゃんが泣くと周りの乗客が変顔をしたり声を掛けたりして泣きやませようとする。その際、赤ちゃんを囲む周りの乗客に一体感が生まれ、赤ちゃんが泣きやむと乗客は満足そうな顔をする。

 「基本的には老若男女問わず、多くの人が赤ちゃんをあやしてくれますが、中年女性は特に声を掛けてくれますね。孫のような感覚なのかもしれません」(ドイツ在住の日本人)

 またドイツでは赤ちゃんだけではなく、子を持つ親にも優しくしようとする雰囲気がある。ドイツの電車やバスにはベビーカー優先エリアがあり、子連れで電車などに乗ることに抵抗が少ない。また、ベビーカーで電車やバスに乗る時は周りの人が手伝うのがほとんどで、親も助けられる部分が多い。

 「赤ちゃんがバスでギャン泣きしてしまい、周りの人に『すみません』と謝ったことがあったのですが、周りの乗客はなぜ謝られているのか分かっていないようでした。それほどまでに赤ちゃんもその親も、公共の場で受け入れられているのだと思います」(前出・同)

 ドイツには、昔から「困った人を助ける文化」が浸透しており、“人に迷惑を掛けて助けてもらうくらいなら外に出るな”というよりも、“少しの迷惑は周りも我慢するし助けるから安心して外に出て”という雰囲気がある。この雰囲気も子連れの親を安心させる。

 ドイツでは小さい子連れで堂々と電車やバスに乗れるようだ。

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