逮捕されたのは、宗像市の保育園に勤務する40歳の副園長。今年6月、体操の「ブリッジ歩き」を指導している際、6歳男児の顔を殴った。怪我を指摘する保育園関係者はいなかったが、迎えに来た母親が顔を見て気が付く。理由を聞かれた副園長は「どこかにぶつけたのでは」ととぼけていたが、母親が後日再度聞いてみると、「手が当たった」などと話したため、警察に被害届を提出し、21日に逮捕された。
その後、宗像市が調査に乗り出すと、驚きの内情が発覚。2011年の副園長就任後、保育園に勤務した60人の職員が退職しているほか、暴力行為もひどく、「トイレの前で食事させられた」「給食の味噌汁を子供にかけていた」「園児を階段から蹴り落とした」などの報告も寄せられているという。
それなりに経験を持った40歳の副園長が日常的に暴力行為をしていた事実には驚いてしまうが、このような事案はほかにも発生している。リアルライブでも報じたが、今年10月埼玉県加須市の保育園で、40代の主任保育士が園児に対し日常的に、「まぬけ」「のろま」などの暴言を吐く、頭同士をぶつけるなどの暴力行為をしていたことが発覚し、退職に追い込まれている。
保育園勤務経験者はこう話す。
「どの職業でも同じですが、ある程度ベテランになると、初心を忘れ流れ作業になってしまう部分がある。副園長も初心を忘れたのでしょう。副園長ともなれば、指導方法に誰も文句は言えませんし、どんどん独善的になっていったのではないかと思います。
保育園児といっても生意気な子は多いし、イラッとすることもしょっちゅう。体を触ってくるのもいますしね。わがまま放題な子供を教育する時に厳し目な言葉をかけることはありますが、暴力は絶対にしませんし、それをやってはいけないと思います。
推測ですが、退職者が多いのは、楯突いた人間を片っ端から辞めさせていったのではないかと。こういう人間に権力を持たせた運営者の判断ミスと言わざるを得ないですね」
氷山の一角とも言われる保育園児に対する保育士の暴力。痛い思いをする園児が出ないよう、チェックをしてもらいたい。
文 櫻井哲夫