ネタの精度はお墨付きで、ピン芸人日本一を決める“R-1ぐらんぷり”では3年連続決勝戦に進出。17年のブレイク芸人ランキング(ORICON NEWS調べ)で、堂々7位。テレビ番組出演本数も昨年の2倍に膨れ上がり、名実ともに飛躍した。“THE W”優勝を決めた2本目のネタのモチーフとなった、ドラえもんを地で行くような真ん丸体型。だらしない規格外の身体も込みで、笑いを量産している。
そんなゆりやんを上回る超ド迫力ボディの持ち主は、芸歴8年目のどんぐりパワーズ(ミナコ&あいこ)。“THE W”の1stラウンドで対決したゆりやんとは、同じNSC(吉本総合芸能学院)大阪校出身で、よしもと芸人だった。しかし、退社した現在は、ワタナベエンターテインメントに正所属。同事務所は今年、平野ノラ、ブルゾンちえみ、にゃんこスター(アンゴラ村長)など、女芸人をスターにしたため、どんぐりパワーズにも未知なる可能性を感じる。
在阪期は、“今宮子供えびすマンザイ新人コンクール”で福笑い大賞、“茨木フェスティバル ボルケーノ茨木”で優勝するなど、賞荒らしの異名も取ったが、なんといってもホディ。ミナコは100㎏、あいこは103㎏で、2人そろって3ケタ超え。これまで、ニッチェがコンビで、森三中がトリオでそろってぼっちゃり系という例はあったが、2人で3ケタは前代未聞。ノリに乗るナベプロが送りこむメガトンコンビだけに、年末年始のバラエティ番組ではグンと露出が増えそうだ。
おデブ系女芸人のトップランナーといえば、渡辺直美。ぽっちゃり女子のファッション誌ではモデルを務め、ブランドプロデューサーとしても成功を収めている。CMタレントとしても引っ張りだこで、“インスタの女王”としてフォロワーは735万人超え。国内トップだ。
デブキャラは、強すぎるインパクトによって、一時期は重宝される。しかし、渡辺のように、ファッションリーダーとしての顔も併せ持ったうえで独走するのは、至難の業。その理由は、感性もさることながら、売れてもなお舞台に立つ芸人魂を失っていないところだ。
おかずクラブ(ゆいP)、ハリセンボン(近藤春菜)、メイプル超合金(安藤なつ)、アジアン(馬場園梓)、柳原可奈子など、ぽっちゃり系にとって、グルメレポートは定番の仕事だが、事務所ライブに出ることで、ネタを磨き、女性らしくおしゃれに磨きをかける。テレビタレントとしての価値を死守しているウラには、企業努力があるのだ。
おしゃれで、おもろい、おデブちゃん。その旋風は来年も吹き荒れそうだ。