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「歴史楽屋噺」パート2・江戸城無血開城…一触即発の裏事情

 幕末ブームが続いているようだが、平和裏に行われた「江戸城無血開城」にこそ、和の国、日本の美学を感じずにはいられない。

 「江戸城無血開城」とは何か。江戸幕府が倒れることを前提に行われた勝海舟と西郷隆盛の話し合いで、江戸が誰の血も流さずに明治新政府に受け渡された事を言う。

 勝海舟は自他共に認める「江戸城、徳川慶喜最後の子分」。今で言う高級官僚にあたる。一方の西郷どんは倒幕の旗手。薩長同盟のトップである。

 勝海舟と西郷隆盛の話し合いは長時間に及んだ。この話し合い、実は「無血開城」を前提に行われていた訳ではない。江戸の下町には、勝海舟の子分筋にあたる火消しの親方・新門辰五郎とその後輩の博徒・小金井小次郎の一統が数千人待機していた。「勝海舟の身に何かあったら江戸中を火の海にして しまえ」という命令が下っていたのだ。

 一方で江戸城近辺には、西郷隆盛と共に上京してきた薩摩藩士の猛者達が控え、「もしも西郷どんに何かあったら、構わないから江戸城に殴り込んでしまえ」という命令があったという。

 一歩間違えれば「無血開城」どころか、大勢の死者が出たかもしれないこの場面。平和に解決した勝と西郷はやはり「人物」だったということだろう。勝海舟に関しては、地方の藩士が勝を殺すつもりで会いに行ったはいいが、話しているうちに、最後は子分になってしまったというエピソードもあるぐらいだから、人心掌握に長けていたのかもしれない。

 それにしても、火消しに対して放火命令が出ていたとは、洒落にならない馬鹿げた話ではないか。

(みんみん須藤)

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