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「パラパラ漫画」で大ブレイクの鉄拳 多忙を極めて精神異常

 作家・水野敬也氏との共著「もしも悩みがなかったら」(株式会社文響社)を発売したパラパラ漫画家でピン芸人の鉄拳が、かつて精神的にヤバかった時期があったことを独白した。

 鉄拳といえば、イラストを駆使したフリップ芸を得意とし、日本テレビ「エンタの神様」などに出演。芸人として一定の知名度を誇っていたが、大ブレイクしたとは言い難い状況だった。しかし、2012年に状況が一変。YouTubeにアップロードしたパラパラ漫画「振り子」が世界的に有名となり、一躍大ブレイク。その後は、パラパラ漫画の仕事が急増し、多い時には1日に20本のオファーが舞い込んだが、あまりの忙しさに精神異変が起きたという。

 「今は順調に仕事をやらせてもらっていますが、危険な時があったんですよ」と語り始めた鉄拳。2013年、NHK朝の連続テレビ小説「あまちゃん」のアニメーションを担当していた時期で、もともと2週間に1本のペースでアニメ制作を依頼されていたが、「蓋を開けてみたら1週間に1本ペースで仕事がやってきて、同時に他の仕事も入れていて…、『あまちゃん』のアニメーションを制作しながら他の締め切りもやってたんですけど、その時は地獄を味わって。睡眠時間もなくて、1日の作業を26時間ぐらいやってて、26時間やって4時間寝て、また26時間描き続けるみたいな。ドンドンおかしくなって、ちょっと精神的にヤバかったですね」と激白した。

 さらに、「本当に追い詰められていたんで、逃げたいっていう。1回書いて上手くいかなかったりすると、悔しくて原稿をグチャグチャにして、ペンもグチャグチャにして…」と精神異常に陥ってしまったという。

 現在は以前に比べると仕事は順調なようだが、今度は違う悩みを抱いているという。「この仕事をやるようになって他の芸人さんと違うのは、外出しなくなりましたね。お笑いライブもやってないし、地方営業にも行かないし、とにかく外に出ることがコンビニにお弁当を買いに行くぐらいで。運動不足で体がなまってしまって。10時間以上座って机に向かっている状態なので、嫁に呼ばれて振り向いた時に首がバキッて鳴ったり…。本当は散歩とか登山とか、ジョギングとかそういう運動をした方が良いんですけど、締め切り優先で考えるんで、運動不足が一番の悩みです」と明かした。

 現在の悩みを明かした鉄拳だが、体調は徐々に悪化しているという。「お医者さんに行くと、3年前にはなかったコレステロール値が急激に上昇していて、中性脂肪も増えてしまって。本当に体に異変が起きてて、たまに顔にすごいブツブツが出来たり…。なるべくお風呂に入ってケアもしてるんですけど…」と明かし、「それでもやっぱりライブやったり、地方営業に行ってる方が、全然健康的でしたね」と過去と比較した。

 悩みを赤裸々に語った鉄拳。今回、鉄拳が制作した単行本「もしも悩みがなかったら」は“悩み”に焦点を当てている。「悩みのない人は壁にぶつかった時にたぶんその時にどうしようかって考えてしまうんですけど、僕は今まで色々な悩みがあって、色々な壁にぶつかってきて、色々な答えを見つけたから、絵を描く時にそういう表現を描けるんで、悩みは多いほうがいいなって思ってて…」と悩みがあることに“ある意味”感謝。また、「高校生とか中学生って一番悩みが多い時期だと思うんですけど、悩みない人よりも悩みあった人の方が安心だよって言いたいです」とアドバイスした。

 実際に同書には“悩み”を解決する実践的な方法が描かれているようで、「是非読んでもらって、悩みを解消してもらいたいです」と最後にコメントした。

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