本製品は、発売時期の関連もあり中盤までの装備しか再現しておらず、最終必殺武器=「オートデリンガー」等は付属されていないが、頭部のバイザーが可動し、脚部へのマクシミリアン(専用銃)収納ギミックを再現している他、必殺武器でもあるダイダロスを装備。フライトユニットにも忠実に変形可能とプレイバリューは高く、特筆すべきはメタルヒーローシリーズの関連玩具の中でも珍しく膝関節の蛇腹をゴム素材にて再現、20年以上前の製品でありながらなかなかにクオリティは高い。
今回、写真ではライティングを施した撮影で紹介しているのだが、この「マルチフォームジバン」は背面から光を当てることによって、劇中の様に頭部のセンサーアイや胸部を発光させる事が出来る仕掛けとなっている。シンプルなギミックではあるが、この悪を見据える文字通り“眼光”の輝きがシビれる。『ジバン』に限らず、センサーアイの輝きは、言わば『ギャバン』の頃からの『メタルヒーローシリーズ』の伝統とも言えるだろう。
ちなみに番組終盤にはより豪華な仕様となり、サイズも1/6(RAHシリーズとほぼ同じくらい)とスケールアップした「超電装DXパーフェクトジバン」が発売。「オートデリンガー」をはじめとした強化武器が付属する他、発行ギミックも透過タイプから電飾式に文字通り“パワーアップ”している。
その後も『特捜ロボジャンパーソン』(1993年)や『重甲ビーファイター』(1995年)等においてセンサーアイ発光ギミックを再現したフィギュアが発売されたのだが、『メタルヒーローシリーズ』の放送枠は『仮面ライダークウガ』(2000年)のスタートと共にシフト&消滅。結果的に、近年はあまりセンサーアイ発光演出を売りにしたヒーローも少なくなってしまった。
またいずれ再び、重厚感溢れる“メタルヒーロー”の勇士とその眼光煌めく雄姿を目にしたいものである。
(小野寺浩 山口敏太郎事務所)
【参照】山口敏太郎公式ブログ「妖怪王」
http://blog.goo.ne.jp/youkaiou