桜庭がプロレスの試合をするのは00年大みそかに大阪ドーム(現京セラドーム大阪)で初開催された「INOKI BOM-BA-YE」でのケンドー・カシンとのシングルマッチ以来、丸11年ぶり。桜庭はジムの同僚であり、同じくDREAMを中心にファイトするプロレスラーの柴田勝頼とタッグを組み、IGFプロレスリングの鈴川真一(大相撲元幕内・若麒麟)&澤田敦士とIGFルールで対戦する。
桜庭は92年に高田延彦率いるUWFインターナショナルに入門し、翌93年8月にプロレスデビュー。キングダム時代の97年12月に米最大の総合格闘技団体UFCが開催した日本大会(横浜アリーナ)にて、「UFCジャパン・ヘビー級トーナメント」で優勝し、総合での頭角を現した。
高田道場に移籍後、98年の第2回大会からPRIDEに参戦し、連戦連勝。ホイラー、ホイス、ヘンゾ、ハイアンのグレイシー一族相手にも4連勝を飾った。当時、日本人格闘家、プロレスラーにとっては、まさに難攻不落の天敵であったグレイシー一族を総なめにした桜庭は“グレイシーハンター”と称された。PRIDEには国内外から数多くの強豪格闘家が参戦したが、PRIDEをけん引し、あれだけの隆盛に導いた最大の功労者は、間違いなく桜庭で、まさに“ミスターPRIDE”といえた。
桜庭は意見の食い違いもあり、06年からはHERO'S(FEG主催)に戦場を移し、08年からはDREAMでファイトしている。近年は相次ぐ故障や年齢的な衰えもあり、昨年5月から4連敗中。引退説もささやかれていたが、11年ぶりに“古巣”であるプロレスの試合をすることで、いいリフレッシュになりそうだ。
当初、「元気ですか!!大晦日!!2011」は地味なマッチメイクが多かったが、石井慧vsエメリヤーエンコ・ヒョードルの夢カード実現に続き、桜庭のプロレス回帰マッチ決定で、注目度が増すのは必至だ。
(落合一郎)