報道をまとめると、脇坂被告は、すっぴんで根元が黒くなった金髪を後ろで束ねて入廷。傍聴席の関係者に笑顔を見せる余裕があったという。起訴状によると、脇坂被告は会社役員早川和男被告(同罪で公判中)らと共謀。12〜14年に千葉県船橋市と都内に開業した美容クリニックで患者に治療したように装い、診療報酬計約154万円をだまし取ったとされる。
脇坂被告は被告人尋問で不正請求をした理由について、「お金がなく、『クリニックの経営が軌道にのるまでは』と思った」と述べたという。また、タレントとしてテレビ番組に出演したのは「宣伝費をかけずに集客して(不正請求から)足を洗いたかったから」と説明。公判の最後には、「被害を受けた各自治体、関係者の皆様におわびします。今後も医師として社会に貢献して、被害額を弁済したい」と涙ながらに更生を誓ったという。
検察側は「国民健康保険制度を逆手に取り、公金から不正に支出を受けたのは悪質。虚偽のカルテを作り、中心的な役割を果たした」と指摘し懲役3年を求刑。弁護側は「罪の重さを真摯(しんし)に反省している」として、執行猶予を求めたというが、判決は7月12日に言い渡される。
「開業する前の時点で、離婚した夫と住んでいたマンションのローンや、ホストクラブで散財したカードの支払いなど、数千万円の借金があった。さらには、クリニックの運転資金が自転車操業で早川被告にも高利で金を借りていた。にもかかわらず、ホストクラブで豪遊していたから、金はいくらあっても足りなかった」(社会部記者)
このままだと医師免許剝奪の可能性もありそうだが、どうやって被害額を弁済するのだろうか。