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コンピューターゲームの20世紀 第12回…『テトリス』

 <抜群の操作性で人気を博したセガテトリス>
 世界中で最も愛される落ち物パズルゲーム『テトリス』。日本では1988年にセガが発売したアーケード版で人気に火が付き、翌年、ゲームボーイ版が爆発的にヒットした。
 俗に“セガテトリス”と呼ばれるアーケード版は、20年以上が経過した現在でも当たり前のようにゲームセンターで稼動しているのだから凄いとしか言いようがない。また、セガテトリスはその後に発売されたテトリスの雛形となっており、下レバーで落下、ボタンで回転というシンプルかつ直感的な操作性、および遊び時間(テトリミノ=ブロックが固定されるまでの猶予)等の基本ルールは、セガテトリスで確立されたものである。

 これと正反対なのが同時期に発売されたファミコン版(発売元:BPS)だ。ファミコン版は下ボタンで回転、Aボタンで落下というトリッキーな操作を強いられる上に、落下は一瞬、さらに落下後はすぐに固定されてしまうという非常にせっかちなゲーム性であった。同じゲームでも操作性一つで全く印象の異なるものになってしまうのだから面白い。なお、この「一瞬落ち&瞬時固定」は、現在では“ハードドロップ”という、素早くプレイするために欠かせないテクニックの一つとなっている。

 <対戦プレイを可能にしたゲームボーイ版>
 1989年に任天堂から発売されたゲームボーイ版テトリスは、本体の普及という宿命を背負わされた、いわゆる“キラータイトル”の一つである。どこでも手軽にプレイできたこと、価格が安かったこと、そして、テトリス史上初の対戦プレイができたことが大きかったのだろう。ソフト単体としてはゲームボーイ史上最高の売り上げ本数を記録(約424万本)し、キラータイトルとしての役目をしっかり果たしてみせた。
 筆者もテトリスをゲームボーイ本体と一緒に予約したのだが、極度の品薄状態により、結局入手までには二か月ほどかかったと記憶している。
 購入後は狂ったようにプレイしまくった。その甲斐あって、近所のゲーム屋で開催されたテトリス大会で見事優勝。だが、手渡された優勝商品はテトリスだった。別にゴールドのカートリッジとかではなく、普通のテトリスである。しかも箱と取説はなし。カートリッジの裏には、薄く「さとし」と書かれてあった。どう見ても中古です。本当にありがとうございました。

 ちなみにゲームボーイ版は初期バージョンと後期バージョンでAタイプの音楽が異なることをご存知だろうか。後期バージョンで使用されたのは「コロブチカ」というロシア民謡。テトリスは元々ソビエトで開発されたゲーム(元々は学習用ソフト)なので、敬意を表するという意味合いがあったのかも知れないが、真相は闇の中だ。
 なお「ソビエト」「ゲーム」という単語からテトリスではなく『ゴルビーのパイプライン大作戦』を連想してしまった人は、残念ながら筆者と同じく重度のゲイム脳の疑いアリ。ご注意を。(内田@ゲイム脳)

(C)1989 Nintendo

DATA
発売日…1989年6月14日
メーカー…任天堂
ジャンル…パズル
ハード…ゲームボーイ

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