縦15センチ、全長1メートルほどの和紙に墨で複雑な文様や様々な記号を組み合わせたものが13種類ほど書かれている。初めに紹介されているものは屋敷内に設置しておくお札の制作方法と、設置の仕方を説明していると推測される。
他の12種類に関しては、もう少し小型でお守りになる札に書き込む呪文と、その効能について書かれているらしい。例えば、1番の細長い台形をした板に梵字を数個書き込んだものは「戦の際に鎧の胸板の辺りに挟んでおく」事で勝利や戦功を得られるものではないかと見られている。
この書簡は寛延元年の八月に藤原景敦という人物から上野喜三右衞門という人物に「流儀秘伝之巻也」として必ず秘密にすることを約束して伝えられたと巻末にある。この上野喜三右衛門という人物は、柳生十兵衛で有名な剣術の流派、新陰流の肥後新陰流に同名の人物を見出すことが出来るため、この人物が戦や試合での勝利に関するおまじないを藤原景敦氏に教わり、書面に記してもらった物ではないかと考えられている。
さてここで、現代でも使えるかもしれない? 陰陽師直伝のおまじないを数点紹介したい。
12番は「君臣和合の札」とされており、これを刻んだ札を持っておけば上司とのコミュニケーションが上手くいくかもしれない!?
また、3番の札は馬に守護の力を与える札。昔から馬は貴重な移動手段であり、戦では相棒となって共に戦ってくれる存在であったためにこのような守り札も存在したのであろう。本来ならば白布に呪文を下き、馬の首の付け根付近のたてがみに付けてお守りとする物らしいが、競馬ファンならば自分の応援する馬が勝てるよう、この呪文の書かれた紙を持っていると「勝ち馬に乗れる」かも!?
※今回紹介したものはあくまでおまじないであり、効果については補償をしかねます。実行される場合はご了承ください。
(和田大輔 山口敏太郎事務所)