昔ながらのタロットカードやオラクルカードなど、診断にカードを使う占いはポピュラーなものだ。読者の中にもタロットカードで占ってもらった経験がある人や、自分でもカードを購入して占ってみた人もいるかもしれない。
古典的なカモワン・タロットから、デザイン性の高いもの、綺麗な絵柄のものまで様々な種類のカードは書店などで購入できる。占い方もタロットカードと似ているものや、独特の占い方があるものまで多岐に渡っている。今回は、そんなカードの中でも異色を放つ『悪魔のカード』を紹介しよう。
黒い箱の表書きには、人々にドクロを差し出す悪魔の姿が銀のインクで描かれているこのカード。ビーバン・クリスチーナ女史によるタロットカードの亜種とも言えるカード型占いであり、タロットカードで言うところの22枚の大アルカナそれぞれにルシファーやリリス、アスタロトと言った有名所の悪魔が掲載されている。また、4種の小アルカナも悪魔に関連のある魔女やほうきなどが描かれているのだ。独特な絵のタッチはユーモラスととるか、素朴な中にも恐ろしさがあると取るかは見た人の印象に寄るだろう。日本版は昭和49年に初版が発売され、山口敏太郎も学生の時に友人と共にこのカードに触れたという。それから数十年後、山口敏太郎がパーソナリティをつとめているWebラジオ『山口敏太郎の日 本大好き』に、リスナーからの相談も含めて実物が提供されたのである。
山口敏太郎氏曰く、このカードは当時から非常に的中率が高いと友人等の間で話題になっていたという。しかし、このカードには来日前から奇妙な噂がついて回っていたそうだ。あまりの的中率を誇るために本物の悪魔が占いの結果に介入している、カードを使用した者に悪魔が取り憑いた…いずれも噂の範疇を出ないが、悪魔の影響が出ることを恐れた作成者は、悪魔を封じるための「悪魔封じのカード」を加えたのだそうだ。説明書に寄れば、悪魔カードの一番上にこの悪魔封じのカードを置いておけば悪魔からの影響を防ぐことが出来るのだという。
当時はかなり話題になったというこのカード、今では古本屋などで探すしかないようだ。
ちなみに、前述のWebラジオ内では実際に簡単な占いを番組中で行ってもいる。中身が気になる人は『山口敏太郎の日本大好き』で検索してみよう。
(文・写真/山口敏太郎事務所)