インパクトは強いといえるが、こうしたプロジェクトをめぐってはある黒歴史がある。
「大手芸能プロダクションのホリプロが、1996年に売り出したバーチャルアイドル伊達杏子ですね。開発時のコードネーム『DK-96』の名称も話題となりました。誕生日は1979年10月26日で、デビュー時は16歳、身長163センチ、体重43キロといったプロフィールのほか、家族構成や趣味、血液型の設定もありました」(芸能ライター)
このプロジェクトには、ホリプロのスタッフ10人ほか、50人の技術スタッフが投入され、初期投資だけで数千万円がかかる大がかりなものだった。だが、結果は大失敗に終わる。
「まず、CG技術が現在ほど進んでいなかったため、どうしてもカクカクとした動きになってしまいました。さらに、ラジオ出演をしても瞬時にあいづちが打てず、音声の沈黙が生じてしまいます。DK-96は『究極のアイドル』として、恋愛スキャンダルもなければ“劣化”もしない存在を標榜していましたが、その人間らしくなさがファンを獲得できなかった原因だといえます。2001年には『DK-96』は『時代が早すぎた』として、より進化した姿で再デビューを果たしますが、こちらも間もなく消えてしまいました」(前出・同)
アオイアナウンサーは、アンドロイドだけあり外国語や情報分析に通じ、24時間稼働できる。「過労」とは無縁だが、その無機質さがアダとならないよう願いたい。