天心がRIZINとともにホームリングとしているキックボクシング団体RISEは、2019年最初のビッグマッチを3月10日に大田区総合体育館で開催すると発表した。先月開催が発表されたRISE世界トーナメント『RISE WORLD SERIES』の初戦を行うという。58kg、61kgの2階級で行われ参戦選手は8名ずつ、ワンデイトーナメントではなく、1回戦、準決勝、決勝を3大会に分け実施。RISEはこの3大会について、いずれも「両国(国技館)、幕張(メッセ)級の会場で行いたい」との意向を示していたが、1回戦は大田区総合体育館が会場に選ばれた。
既に58kgトーナメントは、天心(TARGET/Cygames・RISE世界フェザー級王者)、志朗(BeWELLキックボクシングジム・ISKAムエタイ世界バンタム級王者)、ロッタン・ジットムアンノン(タイ/ジットムアンノンジム・ルンピニースタジアムスーパーフェザー級1位、ラジャダムナンスタジアム同級1位)、スアキム・PKセンチャイムエタイジム(タイ/PKセンチャイムエタイジム・ルンピニースタジアムスーパーフェザー級王者)がエントリー。-61kgトーナメントは、大雅(TRYHARDGYM・元K-1WORLDGPスーパー・フェザー級王者)のトーナメント出場が決定。大晦日でメイウェザーとの大一番を終えた天心の2019年の初戦は、少し期間が開くが、おそらくこの大会になるだろう。
「キックの世界トーナメントをやりたい」
これは天心がずっと訴えてきたこと。RIZINで開催するプランもあったが、堀口恭司戦や、メイウェザー戦など予期せぬドリームマッチが実現。RIZINの榊原信行実行委員長は「来年に延期ですね」と話していた。しかし、同トーナメントへの出場が有力視されていた大雅も違う階級ではあるが、RISE世界トーナメントの出場が決定している。RIZINとRISEの友好関係を見てもこのトーナメントに“スライド”する可能性は高い。年明けに発表されるその他の出場選手にも期待したいところ。
「まず来年、RISEでキックの世界トーナメントを組んでもらえたので、そこで勝って、キックで世界一になってからですね」
将来的にボクシング転向も「選択肢のひとつ」としている天心は、キックで世界一になった男として、新たな未来を歩みたいという思いが強い。特に今年は2月のスアキム、6月のロッタンといったタイの強豪と対戦し、世界のレベルの高さを体感した。特にロッタン戦は判定が微妙だった。本人も引っかかっているだけに、先月のRISE両国大会では、リング上で「ロッタン選手、またやりましょう」と再戦をアピールしている。理想は決勝のリングでロッタンと再戦することだが、トーナメントは何が起こるかわからない怖さがある。しかし、天心は「トーナメントは得意」と自認している。メイウェザー戦が終われば、再びキックの練習に切り替えてこのトーナメントで優勝するために全力で調整してくるのは間違いない。
優勝した先には、逆ラブコールを送ってきた“あの男”との対戦も見えてくるのだろうか?どちらにせよ、2019年もキック界は天心を中心に回っていくことだけは確実。メイウェザー戦はあくまでも日本のキックボクサーを世界に広めるキッカケに過ぎないのだ。
取材・文・写真/どら増田