「上原はレッドソックスと1年425万ドル(約4億1500万円)で契約を結ぶ際、55試合登板で来季の契約延長を保証するオプションを盛り込んでいました。8月に早々とノルマをクリアし、終わってみればレギュラーシーズンの登板数は73試合。今回のプレーオフも、4勝全てに関わって1勝3セーブの大活躍でした。普通に考えれば残留確定ですが、やはりそこはメジャーです。契約が完了するまでは、上原が来季もレ軍のユニホームを着ている保証はどこにもありません」(米国人ライター)
かつて、松井秀喜がワールドシリーズMVPに輝いた年のオフにヤンキースを追われたように、メジャーは30代後半の選手を“買いたたく傾向”がある。
「同じ38歳の黒田博樹はヤンキース先発陣の中核。一方、上原はリリーバーで、疲労の激しいポジションです。今季の安い年棒がベースになるので、交渉が難航する可能性は高いと思いますね」(同)
そこに重なってくるのが、古巣である巨人の来季に向けた構想だ。原辰徳監督はペナント制覇と日本シリーズ進出の結果を出し、残留が決定。今季はレギュラーシーズンの観客動員数も伸びており、経営陣がもっとも不安視していた人気面も及第点に届いた。しかし、来季の観客増につながる新戦力でのPR材料は今のところない。
「もしも上原の残留交渉がご破産となれば、他球団も買いたたいてくる。上原にはMVPのプライドもあります。そうなると、日本帰還も考えなければなりません。かつて岡島秀樹がソフトバンクで1年やって再び米挑戦したように、来季“巨人で1年”の可能性もあります」(ベテラン記者)
年俸倍増でもおかしくない活躍だったが、シビアなメジャーは何が起こるか分からない。