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巨人・古川、1回4失点の炎上に原監督も“喝”「将来性」で許される時間もあとわずか?

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原辰徳監督

 プロ野球界における「将来性」という言葉を考えさせられた一戦だった。

 先発マウンドを任されたのは、入団会見から3週間も経っていない23歳の右腕だった。7月24日、巨人が今季5度目となる2ケタ失点で大敗した(対東京ヤクルト戦)。負けは、東北楽天とのシーズン途中のトレードでやってきた古川侑利である。巨人情報に詳しいプロ野球解説者がこう語っていた。

 「古川は楽天でも将来を期待されていました。プロ初勝利が去年の巨人戦なんですよ。キレのある直球、鋭角なスライダー、緩急の利いたチェンジアップ、巨人首脳陣は古川に強いインパクトを持っていました」

 その期待に一発回答できなかったが、試合後、原監督は2番手でマウンドに上がり、やはり失点を重ねた大江竜聖も含め、こう言った。

 「糧にしなきゃ、何でも」

 チーム関係者によれば、古川、大江をいったん降格させ、鍛え直すという。23歳・古川、20歳・大江の将来性に大きな期待を寄せているというわけだ。

 しかし、プロ野球界における将来性とは、年齢でもなければ、キャリアの少なさでもないようだ。古川との交換トレードで楽天に移籍した和田恋外野手は、奇しくも同じ高卒6年目。楽天・石井一久GMは和田について、「将来は主軸を打てるバッターに…」と語っていた。原監督が古川に期待を寄せているのと同じだ。とはいえ、2人ともプロの世界で5年以上も鍛えられている。まもなく、24歳になる年齢についても考えてみたい。大学卒のプロ野球選手なら、2年目。上位指名であり、一軍戦力になっていなければ、「ナニやってるの?」と、ファンにバッシングされてしまうだろう。24歳に対して、「高卒=育成」「大学=即戦力」の解釈から突き詰めていくと、高卒のほうが球団も“長い目”で見てくれるものなのかもしれない。

 だが、こんな解釈もできる。古川、和田と同じ年齢の大卒2年目の選手をザッと調べてみると、セ・リーグでは、巨人・鍬原拓也、DeNAでは東克樹、阪神・高橋遥人などがいる。彼らも主力級の活躍はまだ収めていないが、高い契約金を積まれ、大きな期待を寄せられて迎えられた選手である。

 大学での4年間と、プロ二軍で鍛えられた4年。プロよりも大学のほうが選手を育てるのが巧いのか? 少し古い例を挙げれば、田中将大と斎藤佑樹の差は、「プロと大学、4年間の差」とも言われていたが…。

 関西方面で活動する投手出身のプロ野球解説者がこう言う。

 「阪神・秋山拓巳の例があります。高卒でプロ入りし、1年目にいきなりプロ初勝利を飾りましたが、その後は伸び悩み、一軍の先発ローテーションに定着したのは、8年目のシーズンでした。5年目、6年目のオフ、実は戦力外リストに入っていて、当時の二軍コーチたちが必死になってフロントを説得したんです。18歳から22歳の4年間は大切、そして、25歳を過ぎてから10代後半、20代前半の努力が実るというか」

 23歳を過ぎ、高卒でプロ入りした選手たちにも厳しい目が向けられるのもまた事実だ。それまでに、「このオトコはまだまだ伸びる」という証を見せなければ、プロ野球界は大学が育てた同年代選手を指名し、“選手の入れ替え”をする。先の古川だが、降板後、試合中にも関わらず、原監督から直接のお叱りを受けたという。叱ってもらえるうちはハナだ。古川、和田に長い時間は残されていないようだ。(スポーツライター・飯山満)

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