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阪神の新助っ人、守備位置が決まっていない? 意外な起用法を採用で、内野陣大混乱か

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 「テスト」が失敗したら、阪神守備陣は大シャッフルということになるだろう。

 阪神タイガースが新加入したヤンハービス・ソラーテ内野手(32=マーリンズ傘下3A)の入団会見を開いた(7月22日)。右投両打の内野手。どちらの打席でも長打が望めるパワーヒッターで、メジャーリーグ中継を見続けている視聴者の間では、ちょっとした有名選手だった。マエケンこと前田健太、松坂大輔、和田毅といった日本人投手との対戦で高い打率を残していたからだ。また、前回WBC(2017年)ではベネズエラ代表選手としても活躍している。

 「内野ならどこでも守れます。近年はレフトを守っています」(米国人ライター)

 近年、阪神はシーズン途中での外国人選手の補強が続いている。要は、シーズンオフに行うチーム編成の失敗である。矢野燿大監督(50)も“負の連鎖”を断ち切ることはできなかったが、「質の高い外国人選手」を選んだという印象を持った関係者も少なくない。

 しかし、どこでも守れるユーティリティ・プレーヤーだからか、ソラーテの守備位置を巡って、首脳陣の意見が割れてしまった。

 「マルテを引っ込めて、一塁を守らせるのだと思いましたが。ソラーテどこの守備に就かせるのか、決まっていないような雰囲気でした」(在阪記者)

 故障で出遅れたものの、マルテがバットで結果を出し始めた。また、「ソラーテ加入後もスタメンで使うべき。外国人選手が2人いて、初めて打線に得点力が増す」との意見も多く聞かれた。一塁手・マルテを使い続けるとしても、二塁には打撃好調の糸原がいる。三塁には主砲・大山がいる。外野だが、センターにはレギュラーに定着した近本がいて、ライトには糸井がいる。加えて、ベテラン・福留も帰ってくる。となれば、福留がレフトに入ることになり、「ソラーテをマルテか、福留と併用する」のでは、打線強化という本来の目的は果たせなくなる。

 ここで浮上してきたのが、他球団ではあまり見られない起用法だ。ソラーテにショートを守らせる案が急浮上してきたのだ。

 「ショートは重要なポジション。併殺プレーにおける二塁手との呼吸が問われますし、対戦打者によって守備位置を若干変える指示を出すなど、守備陣のリーダー的存在です。日本ではそういう捉え方がされているので、ショートを予定して外国人選手を獲得することは基本的にやりません」(ベテラン記者)

 攻撃的な打線を組むのであれば、「ショート・ソラーテ」は脅威だ。ソラーテの守備能力であれば、ショートの守備もこなせるはずだが、他の選手もけん引するという日本的な発想から批判的な関係者も多かった。

 「アメリカの球場は基本的に内野エリアにも芝生が敷き詰められています。芝生の上で転がるゴロの処理が最も難しいとされ、一番簡単なのがイレギュラーのない人工芝です。甲子園は土のグラウンド(内野)ですが、適応できると思います」(前出・ベテラン記者)

 目下、ショートのスタメンは新人の木浪だ。木浪も失策が少ない方ではない。エラーの数が変わらないのなら、「一発のあるソラーテ」という発想もアリかもしれないが、阪神内野陣の混乱は避けられないだろう。

(スポーツライター・飯山満)

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