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競輪穴男列伝 400、500バンクで近畿、中近の3番手時に狙いたい中井護

 中井護(滋賀・74期)は小柄な体。登録時の身長は163cm、体重67kg。持ち味は番手狙いよりは切れのある追い込み脚。格上相手ではいい番手はとれないが中団からのまくり追い込みは実に鋭い。

 今年の取手正月シリーズ。FIでは小林大介(群馬)を叩いたぶんぶん先行の乾準一(大阪)との近畿作戦で追い込み優勝。2着に渡辺秀明(神奈川)3着が新井秀明(埼玉)で2車単は5930円、3連単は8万9080円の大穴になった。
 ようやく番手を回っての追い込みで確実な星を挙げるようになり、S1にも定着した。
 平成6年8月にデビューしてから、14年になるが、師匠の井狩吉雄の指導もあって、競輪学校38位とは思えない力を見せ、B級弥彦優勝。半年後には福井でA級優勝して千葉のルーキーチャンピオンにも出場する活躍ぶりだ。
 平成12年のふるダビ豊橋では(1)(1)で準決に上がり、準優も神山雄一郎(栃木)2着一丸安貴(愛知)の3着で見事優参。それも一丸には1/8輪まで詰め寄って「これはいい選手が出てきた」と思わせたが、先行目標についていくテクニックに欠け、一時は肝心のところで離され、競り負ける凡退レースも多かった。
 密かに期待しただけに、がっかりもしたが、平成16年に地元大津びわこでS級を制してからは、安定した成績に戻った。4月びわこFIでは準優で村上義弘(京都)を追い込む安定感も見せている。
 まだ34歳になったばかり。これからGIII、GII、GIと上がっていかなくてはならない。玉野のGIIIでは、準決Cの1着権利レースで鷲田佳史(福井)を使い見事に1着、決勝は伊藤正詞(愛知)の2着だったが、その差1/8輪とつめよっている。キレのいい追い込みと、番手がもつれるとまくる脚があることを証明している。
 ラインのあるときは配当的に魅力は半減するが、番手が取れず、近畿ラインや中近ラインの3番手でまわる時には交わしの交わしが狙いごろになる。特に直線の長い400、500バンクが狙い目だ。びわこで練習しているだけに500のコツは飲み込んでいる。
 師匠の井狩は57歳でA1を張る元気さ。まじめで練習も熱心な師匠についていけば、中井は一回りも二回りも大きくなるはずだ。目標としている地元・先輩の内林久徳に近づく日はもうすぐと期待している。
 高松宮記念杯は出場できなかったが青森FI、四日市FIとVチャンスはある。まずはこの辺で今年2回目のFI優勝を果たして後半戦が勝負の年とみた。

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