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【話題の1冊】 著者インタビュー 大坪ケムタ 『レスラーめし』 ワニブックス 1,600円(本体価格)

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提供:週刊実話

★酩酊して全裸で殴り合い熊本旅館崩壊事件の真相

――プロレスラーの“めし”の話だけに絞った珍しい1冊ですね。どんなきっかけで始まったのですか?
大坪 もともとは「メシ通」というリクルートのグルメサイトの連載です。レジェンドクラスのプロレスラーが食べてきたモノの話を聞く企画だったんですが、これが予想以上に面白かった。入門して、毎日ご飯を10杯、20杯食べさせられた前田日明さんや越中詩郎選手といったレスラーもいれば、逆に、とにかく貧乏でご飯にタバスコや紅しょうがをかけただけの食事でしのいだ長与千種さんやブル中野さんといった選手もいる。

――特に印象的だった選手はいますか?
大坪 めしを食うことがプロレスラーとしてプロとしての生き方につながってる、という意味ではブル中野さんですね。もともとはアイドルレスラーを目指していたのに、ダンプ松本さんに命じられて悪役レスラーに。そして「この世のものじゃない何か」になるためにめしを食いまくり、ステロイドまで使って100㌔まで増量したというエピソードはすさまじいの一言。しかもその後、ゴルファーになるために体重を50㌔落とし、また復帰の際には100㌔に戻すという…。妥協のないプロ意識に脱帽ですね。

――お酒の話もすごそう。
大坪 プロレスファンの中で有名な「熊本旅館崩壊事件」について、複数の選手の視点から聞けたのは興味深かったですね。新日本とUWF、敵対する選手を仲良くさせるために会合を開いたらみな酔っ払って、全裸で殴り合うわ、日本刀持ち出す選手もいるわの大騒ぎ。最終的にほぼ旅館1軒を壊したという話です(笑)。

――それは、むちゃくちゃですね(笑)。
大坪 現代の日本で起きたとは思えないスケールというか、海賊の話を聞いているみたいですよね。酒の場でのとんでもない話もそうですが、先輩が後輩に無理やりめしを食わせるなんて、今だったらコンプライアンスの面でまず表に出せない話ばかりだから、とにかく楽しくて。ただ、壮絶な経験を踏んできたからこそ、人間離れした肉体とハートを持ったレスラーとして活躍できたんだな、と納得させられます。

――改めて、レスラーにとって「めし」とはなんなのでしょうか?
大坪 めしが食えたことも、食えなかったことも、選手のプロレス人生に影響を与えてるんですね。屈強な身体を作るのは当然ですが、食えなかった時代に生まれたハングリー精神は選手の成長を促します。満ち足りた時代だからこそ、昭和のレスラーたちが育った時代や環境に思いをはせながら読んでほしいです。
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大坪ケムタ(おおつぼ・けむた)
佐賀県出身。フリーライター。アイドル、プロレス、アダルトなどの原稿を中心に活動中。近年は都内トークライブハウスで年間50本以上のイベントを企画・構成。

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