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ヤクルト・バレンティン DVの代償は大きかった

 米国内で妻への暴行と監禁の疑いで、1月12日(日本時間13日)に逮捕されたプロ野球ヤクルト・スワローズの外野手、ウラディミール・バレンティン容疑者(29)のDV代償はあまりにも大きかったようだ。

 バレンティン容疑者は、15日(同16日)、米フロリダ州マイアミ市の裁判所に出廷し、妻への接触制限を条件に、5万ドル(約525万円)の保釈金を支払って、保釈された。

 今後は起訴されるかどうかが焦点となるが、暴行が軽度のものであっても、あいにくフロリダ州は家庭内暴力に関して刑罰が重い州で、起訴された場合は出国できない可能性もある。そうなると、2月1日に始まる春季キャンプには間に合わなくなる。

 ただ、バレンティン容疑者にとっては、キャンプへの合流が多少遅れるぐらいは大きな問題ではない。痛いのは金銭的な損失だ。

 12年12月、楽天への入団が決まったアンドリュー・ジョーンズ外野手が、妻への暴行容疑で逮捕されたが、保釈金は2400ドル(当時約20万円)。ジョーンズの場合はジョージア州だったが、州が違うだけで、バレンティン容疑者は、その20倍以上の高額な保釈金を支払わされてしまった。

 また、バレンティン容疑者はキリンビールの発泡酒「澄みきり」のCMに出演していたが、事件を受けて、CMは13日をもって打ち切られた。出演料は3000万円前後(推定)とみられているが、「事件によって企業イメージが損なわれた」として、キリンからギャラ以上の違約金を請求される可能性も出てきた。

 さらには、バレンティン容疑者は現在、妻と離婚調停中の身。今回の暴行、監禁事件が原因で、離婚の慰謝料が上乗せになってしまいそうな雲行きだ。

 昨季、王貞治らの55本を抜き、日本のシーズン最多本塁打記録(60本)を樹立し、3年連続セ・リーグ本塁打王に輝いたバレンティン容疑者。さぞや、高給と思いきや、意外にも大したことはないのだ。

 バレンティン容疑者は12年オフに、14年以降、総額750万ドル(推定=約7億8600万円)プラス出来高のお買い得な額で3年契約を結んでいる。初年度の今季年俸は200万ドル(約2億1000万円)で、実績と比較すると、決して高額年俸とはいえないのだ。

 保釈金、CM違約金、慰謝料を支払うとなると、バレンティン容疑者はすっからかんに陥ってしまう可能性がありそうだ。DVの代償は、あまりにも大きかったバレンティン容疑者。裸一貫出直すしかない。
(落合一郎)

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