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星野源を売りだしたのは偉才の元芸人だった

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(C)2013「箱入り息子の恋」製作委員会

 現在は文化人に転身したが、その昔は芸人だった。そんな例が、いくつもある。しかも、その元芸人が手掛けた作品から、国民的俳優が誕生している。ここ数年でメディア露出がグンと増えた映画監督の市井昌秀さん。彼は、髭男爵のメンバーだ。監督業に専念後は、昨年の“恋ダンスブーム”でいっそう人気が沸騰した星野源を起用。ブレイクの火付け役のひとりになっていた。

 市井監督は、関西学院大学出身。在学中からお笑い芸人を目指しており、素人時代の笑い飯・哲夫と「スキップ」という漫才コンビを結成。笑い飯の初代ツッコミだった。のちにトリオ漫才師・髭男爵に加わったが、「書きたい気持ち」を優先して脱退。髭男爵は現在の、ひぐち君&山田ルイ53世の2人体制になった。

 やがて、劇団東京乾電池の研究生を経て、映画学校・ENBUゼミナールに入学。卒業後、長編2作が立て続けに映画祭を受賞。13年にメガホンを取った『箱入り息子の恋』では、ミュージシャンで映画初主演となった星野が大ブレイクした。今年1月には、Hey!Say!JUMP・中島裕翔主演の『僕らのごはんは明日で待ってる』が、3月4日にはSexy Zone・佐藤勝利と橋本環奈のW主演作『ハルチカ』が相次いで公開。今注目されている新進気鋭の監督のひとりである。

 いっぽう、“朝ドラ女優”高畑充希を輩出したNHK連続テレビ小説『とと姉ちゃん』の脚本家・西田征史さんも、元芸人だ。90年代までは、お笑いコンビ「ピテカンバブー」として活動していた。相方は、佐野忠宏。現在は、コトブキツカサの芸名で、映画コメンテーターなどで活躍中だ。くりぃむしちゅーと同じ事務所・ナチュラルエイトに所属しているため、上田晋也とは公私ともに親交が深い。

 ピテカンバブーは、結成から5年後に解散。その後、西田さんは物語を書きながら、バイトに精を出す毎日で、年収80万円になるほど困窮した。30歳までに安定しなければ辞めようと思っていたが、嵐・大野智が出演した連ドラ『怪物くん』(日本テレビ系)、月9ドラマ『信長協奏曲』(フジテレビ系)が立てつづけにヒット。いずれも映画化された。そして、昨年の『とと姉ちゃん』で、盤石の地位を固めた。

 芸人時代はまったくウダツが上がらなかった2人が今では、映画界、ドラマ界に欠かせない人物に。その才覚はおそらく、芸人時代に研磨されたものだろう。

(C)2013「箱入り息子の恋」製作委員会

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