坂田に大きな試練が訪れた。
この日、KUSHIDA、TAJIRIと組み、あーちゃん、よしえちゃん、ボノちゃんと激突した坂田。9・28名古屋大会でボノちゃんと一騎打ちを行うとあって、序盤から激しい乱打戦となった。
坂田はビンタを連打するも、ボノちゃんに突っ張りでコーナーに押し込まれた上、張り手で逆襲された。さらに、場外に軽々と投げ飛ばされるなど苦戦を強いられた。それでも、スーパーキックでなんとか反撃。最後は両軍入り乱れたところを、パートナーのTAJIRIがあーちゃんをアクエリアスクラッチ(変型首固め)で丸めこみ3カウントを奪取した。
前哨戦で勝利を収めた坂田だったが、試合後、高田総統からは猛バッシングを浴びた。
まず、試合内容について、「キサマらの戦いを見ていると長期政権をますます確信しちゃうよ」とピシャリ。そればかりか「そのままじゃ、かつてのエースと同じ道をたどることになるぞ。かつてのエースとは最近、柔道の石井(慧)に便乗しているヤツだよ」とダメ出し。
ついには「真のハッスラーになるには、強いだけではダメ。デカイだけでもダメ。歌がうまいだけでも、ましてやカミさんが有名なだけなんて論外だよ。次の名古屋大会までにいま一度、自分自身を磨きなおして来い」。このままでは“優勝圏外”とまで通告された。
それだけではない。坂田はこの試合でボノちゃんに場外に投げ飛ばされた際に、左ワキ腹を強打。しばらく起き上がることさえできず、試合後苦悶の表情を浮かべていた。
「決勝まであと2つ。オレは絶対優勝して、エースであることを証明してみせる」
天下獲りを目指す男はこの逆境をはねのけることができるか。