2月10日午前11時に離陸した成田発ニューヨーク行きの全日空10便で、酒に酔った日本人男性乗客(38)が機内で大暴れし、やむを得ず、飛行機はアラスカ・アンカレジ国際空港に緊急着陸し、男は米連邦捜査局(FBI)の捜査官と現地警察官に逮捕された。容疑は明らかにされていない。
同便はニューヨーク・ケネディ国際空港に12時間半で着く予定だったが、このトラブルのため、定刻から約6時間半遅れで到着した。同便には、他に191人もの乗客が乗っており、乗客や乗務員にケガはなかった。その影響で、折り返し便も、出発が約6時間遅れる事態となり、両便の利用客は、とんだ迷惑を被った。
全日空の広報によると、男は離陸から約4時間半が経過した頃、北大西洋上空で、客室乗務員や周囲の乗客に向かって、大声を出すなどの迷惑行為を始めた。客室乗務員が制止したが、従わなかったため、男は結束バンドで座席に縛りつけられた。それでも、男が騒ぐのをやめなかったため、機長は航空法が禁じる「安全阻害行為」ととらえ、機長権限に基づき、飛行機から降ろし、現地警察に引き渡した。
アラスカ・アンカレジの地元紙の報道によると、男は大声で叫んだり、床に唾を吐いたり、前の座席の背もたれを叩くなどの行為をし、結束バンドで座席に拘束されてからも、周囲の乗員や乗客に唾を吐きかけようとしていたという。
航空機内でのトラブルは少なくないが、制止してもやめなかったとなると、緊急着陸して降ろすしかなかったか…。同乗した乗客にとっては、災難だったというしかない。
(蔵元英二)