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来年が怖い… 50分の交渉時間に秘められたトラの近未来像(藤浪晋太郎)

 藤浪晋太郎(19)が契約更改を終えた(12月3日)。1500万円から3倍増の4500万円で合意、この金額は入団2年目の選手としては阪神史上最高額となる。更改後、交渉役を務めた高野栄一・球団本部長は、「過去の他球団で規定投球回数に達した選手も比較した。これだけの話題のピッチャーだから…」とコメント。「他球団の選手」とは、近年、高卒1年目で活躍した松坂大輔、田中将大のことを指していた。彼らのプロ初の契約更改だが、松坂は1300万円から7000万円に、田中は1500万円から6000万円に昇給している。金額面では叶わなかったが、高野本部長の表情からして、『将来のエース』への期待はかなり大きいと見て間違いないだろう。

 「来年のキャンプ、オープン戦を順調に送ることができれば、『開幕投手』に抜擢されるかも」(関西系のプロ野球解説者)
 関係者によれば、200%の昇給率を勝ち取った要因は、2ケタ勝利だけではないという(10勝6敗/24試合)。クライマックスシリーズ・ファーストステージ初戦の大事な先発マウンドを務めたのが大きいそうだ。
 「来季は能見、メッセンジャー、藤浪が先発3本柱という扱いになる」(前出・同)

 見方を変えれば、藤浪の好不調が虎の命運を決めると言っても過言ではない。
 今オフ、クローザー不在の穴を埋めるため、韓国・サムスンの呉昇恒(31)を獲得。外国人選手の登録枠の問題もあり、リーグ3位の防御率を残したスタンリッジを手放している。久保康友もFAで横浜DeNAに移籍し、阪神は実績のある先発投手2人を喪失してしまった。先の関係者は藤浪が秋季キャンプで取り組んでいた『インステップへの投球フォーム改造』を指して、こう指摘していた。
 「藤浪は左肩が早く開く悪癖があり、それを修正するためのフォーム改造でした。投球フォームの改造に関しては賛否両論だが、対戦チームも対策を高じており、悪癖を持ったまま来季に臨めば、釣瓶打ちにされます。気になるのは、藤浪が新フォームを完全に修得しないまま、秋季キャンプが終わってしまったことです」

 2年連続で活躍できるかどうか、それは、オフの過ごし方次第となるだろう。
 「年俸が4500万円まで上がったということは、来年の契約更改で『1億円』の大台に到達する可能性も出てきたわけです」(前出・プロ野球解説者)
 どの球団もそうだが、阪神もチーム総年俸を抑えようとしている。
 「阪神は久保の補填として、横浜DeNAに『人的補償』を求める予定。先発タイプの投手か、右打者を選ぶはず。先発投手の頭数がいない状況ですから、年俸の高い選手でも、使えると思った選手がいれば獲る方向です」(同)
 カネに糸目はつけないというわけか…。
 藤浪の昇給にケチをつける関係者はいない。しかし、阪神は来年20歳になる若者に1億円を払えば、その後の昇給幅がどれだけ大きくなるのか、分かっているのだろうか。FA補強に失敗しても、カネの掛かるチーム構成からは抜けられないようだ。

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